監督 日高繫明 脚本 甲斐久尊
出演 梅宮辰夫 三田佳子 加藤嘉 織本順吉 石島房太郎 風見章子
故里やよい 亀石征一郎 増田順司 星美智子 佐原広二 神田隆
題名から言ってそんなに期待していなかったけれど、今の朝鮮半島の情勢を考えると結構衝撃的な内容だし、いたって真面目に作られていて感心した映画。
梅宮辰夫の超細くて若い姿が見れます（笑。というかあまりの外見の違い、新聞記者という設定でこの人が梅宮辰夫？って思いました。
原爆の悲惨さを授業でみた高校生4人。当時とは比べ物にならない破壊力をもつ水爆をもつ大国があり、彼らは自分たちの将来を考えるのだが、大企業の重役の娘の兄がもつボートを借りてある日男子3人と東京湾へ。銀行員の父と姉をもつ男子高校生の一人がこのまま島へ行ってしまおうかというとそこは皆子供なので日本を離れるために沖へ。
ところがその後悪天候に見舞われ遭難してしまう・・・
なんだかこのあたりまでは変な青春ものかと思ったけれど・・・
飲み屋街で流しのギター弾きをしている増田順司は元々音楽家になりたかったのだが
病気で寝ている妻、星美智子もいて安アパートに住んでいる。
一方、新聞記者の若き（笑、梅宮辰夫は看護婦の三田佳子と付き合っているが、彼女は仕事熱心で結婚するのを待たされている梅宮辰夫。
デートでゴルフ練習場へ行った二人にラジオから臨時ニュースが飛び込んでくる。
なんと朝鮮半島上空で米軍機が爆発しそのために韓国軍と米軍人が犠牲になったという。そこから映画が面白くなっていくのだ。
米ソ冷戦にはまだ突入していたのか知らないが（え、人々は日本にも水爆が落とされると避難しはじめ町は逃げ惑う人々でパニック。
この時のエキストラ？の人数が凄かった。今のようにヴァーチャル使えないもんね。
銀行へは人々が預金を引き出そうと押し寄せ、銀行員である加藤嘉は同じ銀行へ勤める娘の故里やよい（美人な女優さんでした）を帰して対応に当たり家へ帰る途中になんと大企業の重役一家が避難のために運転していた車に轢かれてしまう。
重役の石島房太郎は「戦争なんだから仕方ないのだ」とひき逃げしたことを責める息子や娘に言い放ち東京を後にする。
父親の帰りが遅いと探しにでた息子の前に路上で倒れた父親を発見するが周りの人は助けてくれない。姉と家へ父親を運び、公衆電話から病院へ電話してもどの病院も応答がない。そこへ姉が「もう病院へ電話しなくても良い」と弟に言う。
父は死んでしまったのだ・・・。
ここ、かなり現実味を帯びた話で怖かった。それに60年てまだ確かに自宅に電話がある家は多くなくて公衆電話ってところが泣かせる。
故里やよいさんの詳細な情報はないが1935年生まれなのでまだ存命している可能性は大。
電話に応答がないのは当然で病院では入院患者から医者から看護婦から全て逃げ出しているのだ。
三田佳子の病院もそうだが三田佳子はひとり入院していた女の子を心配して病室へ。
そんな三田が心配で社のカメラマン織本順吉と取材途中に病院へ立ち寄るも三田を探し出せない。織本は早く逃げましょうと急かすし、梅宮は車へ戻る。
ギターの流しの増田順司は夜流しにでるといつものバーの女給たちがトラックで逃げる最中に遭遇。アパートへ帰るも自分たちは逃げることはせずに妻とふたり教会へ行く。
この時、妻は久しぶりに化粧をする。そして「あなた、本当は子供が欲しかったんじゃないの」と夫に訊くセリフは思わず泣けた。
重役一家が逃げる前には食料を確保しようと店へ電話をかけるも通じない。娘が店へ直接行くというがどうせ売り切れているからと引き留められる。ここ、そっても納得。マスクもトイレットぺーパー騒ぎの時も知った時には店には商品はない（笑。
重役一家は車、一方父親をひき逃げされた姉、弟は歩きで東京から少しでも遠くへ行こうとする。とにかく人、人、人・・・って東日本大震災の夜の渋谷？みたいだったし。
電車は動いていてもとにかく人が多すぎて駅へも行けない状態。
結末は（勝手に）人類が滅亡してしまう原爆合戦にならず終わるのかと思いきや
え＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ってなります。(;'∀')
