出演
十三夜
大つごもり
久我美子 中村伸郎 荒木道子 仲谷昇 長岡輝子 岸田今日子 北村和夫
河原崎次郎
淡島千景 宮口精二 杉村春子 山村聰 賀原夏子 南美江 加藤武
淡島千景と山村聰がジャケット、今井正が監督の「にごりえ」、前にどうしても見たくてDVDを購入した。三部作だったことは買ってから気づいた。
なぜか印象に残ったのは2番目の「大つごもり」だった(笑。
ここで「さんちゃん」と呼ばれる子役、なんだか河原崎健三に似ているなぁと思ったら河原崎兄弟の2番目、河原崎次郎という人だった。なんと去年の7月に没。長男の河原崎長一郎(64才で没)が一番好きだった。
大つごもり
暮、女中奉公にでている久我美子は孤児の自分を育ててくれたおじさん中村伸郎、荒木道子夫妻の家へ仕事の合間に訪ねる。長らく病んでいるおじさんは借金の利息一円50銭と正月用のお餅代50銭、合計2円がなんとかならないか・・・と久我に頼む。
久我はそのくらいならご主人から借りられるからと大晦日に奉公先へ来るように約束するが・・・
大晦日、おじさん夫妻の子供、さんちゃんが訪ねてくる。女主人には2円のことを頼んであるが、出かけてしまい、まだ2円が調達できていなかった。久我はもういちど夕方に来るように・・とさんちゃんを帰す。家に帰った息子がもういちど来るようにと言われた・・・というと、おじさんが、久我は優しい娘だから本当は借りれなかったが言えずにいるのだ、申し訳ないことをした・・と思う。
さんちゃんが帰った後、久我はどうしよう・・・と思いながら台所仕事をしていると、裏からその家の息子、中谷昇が入ってくる。彼は先妻の息子だが、遊び癖があってたまに家に来てはお金を無心していくようで今の後妻とその娘たちから良く思われていない。父親もいずれは籍を抜こうと考えているようだ。
久我がおかみさんは外出しているというと仲谷は酒の用意をしてくれとずかずか入って奥の座敷へ行って寝てしまう。
しばらくしておかみさんが帰ってくる。義理の息子が帰ってきたというととても嫌な顔をする。娘たちも義兄さんがいるならとあいさつもせずに2階へあがってしまう。
久我は座敷へ行ったおかみさんにもう一度2円のことをいうと、おかみさんはそんな話はきかなかった・・・と言い、2円が借りられないことになってしまった・・・。
同じ部屋には仲谷が寝ている。
すると車夫が現れて、おかみさんの長女のお産が始まった、ついては嫁ぎ先へおかみさんに来て欲しいのだと迎えにくる。あわてて車に乗るおかみさんの元へ借金のあった人から20円の返済がある。それを受け取ったおかみさんは娘、岸田今日子へ座敷の手文庫へいれておけと手渡す。おかみさんが去ったあと、岸田今日子が久我美子にこれを手文庫に入れろとまた手渡す・・・・。
そろりと座敷をあける。仲谷はまだ寝ている。起こさないように手文庫の引き出しへお金を入れる久我・・・自分が借りたい2円・・・おかみさんはいない・・・
躊躇しながら、、20円のうち2円を結局盗って座敷を離れる・・・。
↑見どころ(笑。
そこへこんどはおばさんの荒木道子が訪ねてくる。自分たちが頼んだのは間違いだったから気にするな・・・と言いに来たのだが、久我は意を決してそんなことはない、ちゃんと2円借りれましたと帯にはさんだ2円を手渡す。
喜んで帰ったおばさん。家で子供にお餅を食べさせることもできた・・・。
商家では、仲谷が義母から「お歳暮」だと50円渡される。義母はとにかくはやく帰ってもらいたいのだ。「お歳暮とはうまいこと考えましたねぇ・・」と嫌味をいいながら帰っていく。
座敷から呼ばれた久我。おかみさんに手文庫を持ってこいと言われ、自分が盗んだお金のことが知れる!と思うのだが・・・持って行かないわけにもいかず・・・
恐る恐る手文庫を差し出す久我。引き出しをあけるおかみさんが「あら・・」と驚きの声をあげる・・・。下を向く久我
↑ここも見どころ ドキドキする!
中には一枚の紙がでてきてそこには「このお金ももらっていく」と書かれていた。
なんと息子が全て持って行ったのだ。
奥へ下がる久我美子。
仲谷は座敷で寝ていた時、おかみさんと久我のやり取りを聞いていたのか、そして久我がお金を持ち出したことも知っていたのか、それとも偶然か・・・。
いい感じの余韻で終わる物語でした。