日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

天狗飛脚   1949年 大映

監督 脚本 丸根賛太郎

出演 市川歌右衛門 小杉勇 志村喬 相馬千恵子 沢村貞子 加藤大介 

   津川雅彦 

 

(多分)初めての市川歌右衛門の映画。なんだか顔がみんな似ていて時代劇スターといわれる人達の見分けがつかない(笑。メークとカツラのせいだろう・・・。

 

以外にもおもしろかった♪

 

江戸の飛脚屋、天狗屋は飛脚を亀屋に引き抜かれ、商売があがったりだ。残る3人の飛脚では心もとない。そんなところへ大阪へ手紙を届ける仕事が舞い込むが、5日以内に届けられるのか?と挑発的に言われる・・・。飛脚3人が居酒屋で飲んでいると亀屋の飛脚たちにバカにされ、喧嘩になりそうになるが、ここは足で勝負しようと明神様のお札を早くもらって帰ってきたほうが勝ちだとしようとなる・・・そこへ飲んでいた市川歌右衛門が天狗屋の代わりとなり走る・・・あまりにも帰ってきたのが早いので亀屋は前にもらったお札があったのだろう・・・と疑うが、そのお札にはちゃんと日付をいれてもらっていた。

足の速さにびっくりした天狗屋の飛脚はもう一度だけと大阪へ手紙を持って行って欲しいと頼む。歌右衛門は3日あれば十分だ!とこれもきちんと届けるのだ・・・。

 

天狗屋には娘がひとりいて(いつもの筋書 笑)、その娘、相馬千恵子も市川歌右衛門にぞっこん、いつの間にか相違相愛の仲に・・・だが大阪の商家の跡取り息子に気に入られている娘は天狗屋の懐具合で嫁に行くことになるが・・。

 

さらに市川歌右衛門はあらぬ罪を着せられるが岡っ引きの手を逃れ、話のわかる同心、志村喬の家へ逃げ込む。

天狗屋では市川が行方知れずになり、困っている。そんなおり、江戸で流行した子供の熱病に効く薬が長崎から大阪へ運ばれた。医者の小杉勇は助けた子供の親で大店の主人に3000両の手形を借りてその薬で一儲けしようという手合いに買い占められないうちに手に入れたいと天狗屋を訪ねる。市川の居所が知れないのだが、飛脚の一人が請け合ってしまう。同僚が「お前も隅に置けないなぁ・・いつ歌右衛門の居場所を知ったのだ?」と訊くと、いや知らない・・知らないのだが・・・受けてしまったと白状する。

主人はこっそり亀屋に頼みに行きますという飛脚を叱り、お前が行くのだと準備をさせ、旅立たせる・・・早籠でもなんでも頼めと言われ走り出す飛脚。

一方亀屋では薬を買い占めようとやはり大阪へ足自慢の飛脚が旅立つ。

すぐ天狗屋の飛脚に追い付き、天狗屋は追い越され、

このシーン、手に汗握る(笑。

 

一方歌右衛門は自分に罪を着せたのは岡っ引きだとわかる。その途中、医者に会い、事情をしって天狗屋へ駆けつけ支度をしていると主人から「お前の花嫁も連れて帰ってこい」といわれ、大阪へ嫁入りのために籠で出発した娘も追いかけることになる。

 

なかなかよろし(笑。

 

ところで出演者の名前に津川雅彦発見したが、(多分)絵が好きな子供の役で最後は熱病にうなされ寝込んでしまう子供だと思う。wikiでは1954年までは本名の加藤雅彦をつかっていたと書いてある。

 

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市川歌右衛門の背中におぶさる津川雅彦