日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

南國土佐を後にして   1959年 日活

監督 斎藤武市 脚本 川内康範 斎藤武市

出演 小林旭 浅丘ルリ子 中原早苗 高野由美 二本柳寛 西村晃 南田洋子

   ペギー葉山 金子信雄

 

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南国の国が國になっているのに注目(笑。それだけ古い映画なのだ・・・。

 

渡り鳥シリーズが始まるひとつ前に作品。小林旭、1938年生まれで当時21才。ルリちゃん19才。ふたりともまだ幼い顔をしていると思う。

 

東京でダイスの目と呼ばれていた小林旭は博打と喧嘩?で捕まり刑務所へ・・・。

出所の日、賭博のボス?二本柳寛とその手下の西村晃が迎えに来るが、田舎へ帰るのだと突っぱねる。しかし、二本柳は「前科者はどこまでいっても前科者だからいずれまた帰ってくる」という。

 

収監中に慰問で訪れたペギー葉山の南国土佐を後にしてを聞いた小林旭は特攻で死んだ兄の見送りを思い出した。小林の故郷はまさに土佐で、兄の婚約者だった南田洋子が土佐の歌を泣きながら歌い兄を送り出したのだ。

 

土佐に帰るとその南田の妹で東京でモデルをしているという中原早苗に会う。彼女は今は東京で料亭を営んでいる南田の家に住んでおり、夏休みを利用して土佐に帰っていたのだ。

 

小林が家に帰ると母、高野由美が暖かく迎える。結婚を誓った小林の恋人、浅丘ルリ子は亡き父が博打で残した借金100万円のカタにそのヤクザ、内田良平の妻になることを無理強いさせられている。

 

小林はまずは就職するのだと面接に行く。履歴書には前科を隠して応募するが、会社で調べられて断られてしまう。そんな窮状を救ったのが中原早苗の兄だが、紹介した船舶会社も前科者だという密告の電話で就職はかなわない。邪魔したのはルリちゃんの相手のヤクザの組員だった。

仕方なく冲中士の仕事をしようとするとここは自分のシマだと地元の組員から殴られるが、ここで喧嘩をするとまた大ごとになると小林旭は耐えるのだ・・・ルリちゃんと海岸にいるとまたそのヤクザ連が現れて、指をつめてやると言い出す。そこへ東京からつけてきた二本柳、西村が現れ窮地を救う。彼らにとって小林の指をつめられたらもうダイスはふれない。それは困るのだ。しかし小林は指をつめられたほうが良かった・・と言うのだ。

土佐にいたらまた悪くなる・・と東京へ出る小林。車中、東京へ帰る中原に連れられ、東京の南田洋子の家に下宿することに。早速就職活動にいそしむが、やはり前科がばれどこも雇ってくれない。南田の紹介で証券会社に勤めることになり、喜ぶ小林。

そこの社長、金子信雄南田洋子から全てをきいてそれでも雇ってくれたのだ・・

数日経った。就職先にはまた西村晃がボスの言づけだと訪ねてくる。追い返す小林。

すると今度は社長に呼ばれ、見損なった、クビだと言われる。

小林が好きでモーションをかけていた中原早苗は相手にされないことに怒りを覚え、また自分の姉も小林に気があると思い、南田のヒモのようなことをしているという電話をかけたのだ。

 

意気消沈する小林の元に、土佐からでてきたルリちゃんが待っている・・。そこへ土佐から追いかけてきた内田良平とその手下が現れ、ルリ子が欲しいなら100万円用意しろという。

結局、小林は博打をすることになる。

 

中原早苗は、社長の金子信雄を誘っておもしろいところへ連れてってもらう。

賭博場だ・・・そしてそこには小林旭がいた。

 

金子信雄が100万円、200万円、結局300万円賭ける。元締めの二本柳も同じだけ賭ける・・。小林はそれだけダイスがうまいのだ。

 

そしてきっちり勝って、100万円を手に南田の料亭で待つヤクザに100万円を叩き返すのだ!

 

翌朝、小林は南田、浅丘に見送られ警視庁へ・・・晴れ晴れと笑う小林がいる。

で、終わりなのだが、なんで小林旭が自首するのかわからない。

賭博なら現行犯じゃないとダメだし・・・考えられるのは土佐のヤクザ一味をのしたことの暴力事件?だろうか・・・いまいち謎でした。

 

若いペギー葉山は初めて見ました。細かった(笑。

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刑務所で歌うペギー葉山

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顔がまだ幼い小林旭。なかなかハンサム