日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

悪徳  1958年 大映

監督 佐分利信 脚本 猪俣勝人 原作 船山馨

出演 佐分利信 木村功 水谷良枝(八重子)大塚道子 嵯峨善兵 御橋公

   織田政雄 三津田健 清水一郎 十朱久雄 福田妙子 垂水悟郎

 

昨夜、やっと視聴♪♪このところ朝5時頃起きるので、夜10時過ぎから見だしたこの映画、20分経過したころに寝てしまって、起きたら織田政雄がアタフタ?していた。

・・・・??なんだかわからないので覚えのある場面まで戻った。

 

悪に魅かれる現代青年(木村功)の顛末を描く社会劇!とあるが、なんだか「現代人」

みたいな物語だなぁ・・・と思っていたら脚本が現代人の脚本を書いた猪俣勝人

だった(笑。

 

大塚道子は私のイメージの意地悪くて下品なおばさん・・・がこの映画では旧華族の娘で佐分利信の若い妻役だったのにビックリ。ひたすら夫佐分利を信じる。

彼女の父親が御橋公で、人に持ち上げられて会社を作ったりするがいつもうまくいかないのだが、佐分利に資金をだしてもらっている。1958年の御橋公は孫がいるおじいさんにピッタリなほど老けていた。元々、若い頃から父親役などやっていた人だがこの映画では年齢的にぴったりな役だ。(63歳くらい)

水谷良枝は若さ爆発!いかにも現代娘のアプレでなかなか良かった。

 

加治(佐分利信)の会社に勤める若者、木村功はバスの車掌をしている水谷良枝(八重子)と付き合っている。加治は表では普通の会社を経営しているが裏では榊原運送の社長の榊原、弁護士の深見(清水一郎)や十朱久雄達と組んで会社乗っ取りや詐欺を繰り返し利益を得ているのだ。

ある日、社長の使いで榊原運送へ行くと、銀座のバーのマダムが借金返済を待ってくれと榊原に泣きついてるところを目撃。榊原は金が返せないならバーはもらうと非情にもマダムに言うのだった。その夜、木村功がそのバーへ行くと社長の佐分利がいた。

事の次第をのみこんだ木村功は警察へ行こうとしているマダムの後をつけ、暴力でバーの乗っ取りを成功させる。

社長の加治からいくばくかの小遣いを渡された木村功

味をしめた木村功はなんとかして社長一味の悪事の仲間に入りたいと今度は加治たちが狙っていた三津田健のミシン会社の乗っ取りに自ら加担する。

ある日、恋人水谷良枝から父親で、ある会社の会計課長 織田政雄が会社の資金繰りに窮しているので何とかして欲しいと相談されると手形詐欺で織田からまんまと手形を振り出させ結局織田は30年務めた会社を解雇されてしまう。

織田はそれでも会社の手形を探して街を歩く。

木村は織田の振り出した手形を回収して自分も儲けようとするが加治に気づかれ

リンチを加えられたあげくに30万円持ってこい!と言われる。

痛めつけられた木村功は加治へ復讐しようと何も知らない加治の妻に加治の本当の姿をみせるのだ。

一方、織田政雄は加治一味に監禁され、遺書まで書かされたあげくに殺され、それを知った娘は木村と加治に復讐するために木村功と加治の妻、大塚道子が不倫していると

言い、実際大塚が木村のアパートへ行くところを目撃させる。

 

織田政雄の小市民なまじめで正直なサラリーマン、あわってぷりが良い。

 

十朱久雄は詐欺グループのひとりなのだが彼の悪役は初めてみたような気がする。

 

最後は、え=======という結末なのだが小説とはちょっと違う展開。

 

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日本映画専門チャンネルより

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水谷良枝と木村功

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悪人勢ぞろい

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加治(佐分利信)と木村功 ふたりの関係を表すようなショット

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恋人の父を騙しても平気な若者 木村功