日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

傷だらけの掟  1960年 日活

監督 阿部豊 脚本 山崎巌 野村孝

出演 長門裕之 葉山良二 中原早苗 南田洋子 二谷英明 金子信雄 佐野浅夫

           内田良平

   

 

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 衛星劇場長門裕之没後10周年記念として放映された。

なんと池袋が舞台でガードをくぐったあたりとか(昔の三越、その隣に三和銀行)、線路際(多分北口から行ったところの)なんかが映る貴重な映画(笑。

  

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ガードをくぐると・・・今のヤマダ電機

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東口から北口方面へ

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1959年当時の西武デパート一帯

 筋は、池袋一帯のシマをふたつの組が争う。葉山良二、長門裕之兄弟は終戦後組長、金子信雄を拾われ長門は学校へも通わせてもらっている。必然的に組の一員で、葉山良二は組では兄貴分だ。

  長門は池袋を拠点に不良?仲間と夜な夜な遊んでいる。ある夜、道で立っていた中原早苗に誘われ、一軒のバーに入るがそこはぼったくりバーだった。

9000円という法外な請求に逃げようとした長門だが捕まってしまう。仕方なく取り出しのが亡き父が外国で買ったという2,3万円はする腕時計。すっかり話を信じたヤクザの内田良平長門はさらに3000円を貸してもらう。その組長、二谷英明がその腕時計をみるとなんと偽物!うまくやったと長門が池袋のガードでひとりの中年男性ロレックスの時計だと同じ時計を売りつけたあと、また捕まってしまう。それを見ていた花屋の店員の女の子がその主人の南田洋子に言うと、南田は葉山に連絡する。南田の亡き夫も葉山と同じ組で葉山とは顔見知り、そしてお互い密かな恋心を秘めているのだ。

 ・・・・なかなかおもしろかった。ここで描かれているのは兄弟愛。

例によって葉山の組長、金子信雄の悪だくみで最後は可哀そうなことに・・・

 

  ところで、この映画の監督、阿部豊。なんと堕胎女優の志賀暁子の相手だ。

戦前はかなり偉い監督だったらしいが、戦時中、東宝に写って国策映画で辣腕をふるったとある。日活の再開でかなりの監督作品を残したという。