日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

馬賊芸者  1954年 大映

監督 島耕二 脚本 島耕二 原作 火野葦平

出演 京マチ子 志村喬 清川虹子 高松英郎 村田知栄子 中条静夫

 

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角川映画より

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大正初期の博多の芸者の話。馬賊芸者というのは成金からお金を搾り取るキップのいい芸者のことだという。

 

京マチ子みんなから慕われるキップのいい芸者。気にくわない歌舞伎役者の人気番付を落とそうと3番目に人気だった市川小十郎(高松英郎)を一番にして鼻をあかそうと

奔走するが大金持ちで京マチ子を贔屓にする客、志村喬が裏でお金を使い、小十郎は番付で一番になれなかったりする。

ところが、京マチ子はすっかり小十郎のとりことなり、小十郎もその気で巡業が終わったら妻にしたいと言われそのまま芸者をやめることにして小十郎の帰りを待つ。

ところが・・・小十郎は旅先で脳溢血であっけなく死んでしまい、京マチ子はまた芸者に戻る。いつまでも小十郎を忘れられない京マチ子はあるお座敷で酔っ払い、見かねた姉さん芸者の清川虹子に注意される始末。座敷へ戻る途中、別の部屋からでてきた男とぶつかる。あわてて謝り顔をみるとなんと死んだ小十郎と瓜二つの人形師、貞次(高松英郎の二役)という男だった。

それだけで惚れた京マチ子は、その人形師の家を訪ねる。貞次の父は芸者が訪ねてきたと聞き、息子に注意する。貞次が現れ、なんとか話をしようとするがふくれっ面で迷惑そうな貞次。京マチ子は自分の人形を作ってくれと言い、自分の館(家)へ来てもらうことに成功する。人形作りのために京マチ子の芸者姿を写生しにきた貞次だがなんとか引き留めようとする京マチ子にかまわずとっとと帰ってしまう。

諦められない京マチ子は村田知栄子が経営する常盤館という料理屋に来てくれと呼び出す。昼間、そのことを言いに呼び出した京マチ子だが貞次はあきらかに迷惑な様子だった。

京マチ子が来るまで二人は座敷で話し合う。

京マチ子が来た時、ことの事情をしっている女将が気を利かせて直接座敷には案内せず、貞次、梅丸に来たことを知らせ、梅丸は座敷からでて廊下の隅へ隠れる。

座敷で客に酒をすすめられ酔っぱらってきた京マチ子・・・貞次に愛の告白をするが

貞次ははっきり好きな人がいるのだと断る。そこへ梅丸が現れ、激怒した京マチ子、どう考えても自分本位な理屈で梅丸をなじるのだ。

 

すっかり意気消沈する京マチ子。妹分の芸者ともそのままになり気落ちしているところへ貞次の父が現れ、貞次と梅丸が駆け落ちしたという。

 

梅丸の館では梅丸を身請けしたいという話が持ち上がっていていなくなった梅丸を館の主人、中条静夫が探しに行くが見つからない。この時の中条静夫が若くて気づかなかった(笑。

それを聞いた京マチ子は梅丸を身請けすべく、志村喬に2万円下さいと直談判。

小切手をもらってその足で梅丸の館へ行き、身請けしたいというが強欲な夫婦は

芸者が芸者を身請けするなんてきいたことがない。とケンもホロロの対応。

ところが他の芸者も集まって梅丸をもらっていく、警察を呼ばれて困るのはどっちだと言い、館の夫婦から身請けに成功。

 

場面代わって、京マチ子志村喬にお礼を言いに行く。そして自分が志村に身請けされてもよいと言うが、志村は京マチ子に黒田節を踊ってくれ・・・という・・。

 

みたいな話。

 

死んだはずの小十郎にそっくりな貞次が登場した時は、小十郎に心変わりがあって本当は生きていて京マチ子にみつかった・・・のかと思ったけれど、瓜二つだったのか(笑。

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日本映画専門チャンネルより