日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

けものの眠り 1960年 日活

監督 鈴木清順 脚本 池田一朗

出演 長門裕之 吉行和子 芦田伸介 西村晃 小沢昭一 下元勉 恭欣三

   楠侑子 山岡久乃

 

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いかしたオジイサン、鈴木清順監督の映画。この人、前は鈴木清太郎だったが、いつ清順にしたのか?

 

人には誰しも胸の底に恐ろしいケモノを一匹飼っているものだ

というセリフをコンセプトに創られた!

 

香港から食品会社に勤める植木(芦田伸介)が帰ってきた。社内で送迎にきたのは一人だけであとは妻のひさ(山岡久乃)の啓子(吉行和子)そして恋人?友人?で新聞記者の正太郎(長門裕之)だけだ。社の男は会社なんて冷たいものだというが、植木は定年後も社に残れることになったと喜ぶ。一度退職金の300万円を受け取るがその金と共に失踪してしまう。連絡がれなくなった啓子が心配して会社を訪れると父は社に再雇用されていないことを知り、途方にくれた圭子が正太郎に父を探して欲しいと連絡する。

 

啓子にはバーの女(千代侑子)から植木から指輪を預かっていると電話があり、正太郎とそのバーへ行く。女が言うには父の植木は数人の男たちと一緒だったがトイレに行くときも見張りがついていたという。そこへ父親と一緒だったという男が現れ、啓子と正太郎はその男とバーのホステスの弘子(楠侑子)の後を追うとふたりは連れ込み旅館へ。翌朝まで車内で彼らの出るのを待つ啓子と正太郎(多分 新聞社の車?)。

しかしその二人は救急搬送され、男は死亡、女だけが助かった。睡眠薬をのんだ自殺だというが、正太郎が調べると自殺する理由がないことがわかる・・・

 

オカシイと睨んだ正太郎だが、啓子から父が帰ってきたと連絡がある。

父親は横浜港に入船した船舶にモノを売る仕事に就いたという。そして東京から横浜に通うのはたいへんだと山手の洋館と東京の家を交換したとかで一家で引っ越すことになる。妻も啓子ももう問題は解決したと思うが、正太郎は納得できず、独自に調査を開始するが・・・

 

日活より

さらに睡眠薬を用いた殺人がおこり、啓子の父の就職先と新興宗教との関係などがある。

ここで弘子役の楠侑子だがイメージが違ってしばらく気づかなかった。(黒髪だった)

 

山岡久乃は従順な妻の役でだんだん父親の本当の姿に気づく娘の啓子(吉行和子)とは違って自分はなにも聞いていないなんてことを言う。

問い詰める娘に父の表情が変わっていくところが怖い。

 

結局、あるものを爆発させて炎上シーンがあるのだが、そのヒントになったのが山中ですれ違ったトラックに積まれていたもの・・・植木はその時の車内での会話をヒントに

新興宗教の本山にある寺?塔?を爆破させるのだ。

 

オークファンより