日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

拳銃0号  1959年 日活

監督 山崎徳次郎 脚本 寺田信義 米谷純一 前田満州

出演 岡田真澄 待田京介 宍戸錠 野呂圭介 安部徹 南風夕子 赤木圭一郎

   丘野美子 川地民夫 稲垣美穂子 浜村純 

 

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赤木圭一郎と丘野美子

 

お話的には非常に面白いんだけど、なんかイマイチな映画だった。なぜ?

 

一丁の拳銃が人々の手に渡っていく・・・

 

米国から来たエリック(岡田真澄)は護身用にコルト一丁をもって日本のホテルへチェックインするが、メイドに誤って捨てられてしまう。

 

ホテルのゴミを漁る男はその拳銃をみつけ、地廻りのチンピラ?に売る。そのチンピラからさらにヤクザの手に渡り、それを使ってその組を裏切った男、関口(待田京介)を殺すように親分(安部徹)から指図をうけた健(宍戸錠)。

健は銃を3発こめ、その3発が発射されなかったら命を助けるといって1発ずつ発射。

なんと一発も発射されず、関口の命は助かるがそれを知った親分は怒って弾をそのコルトに6発こめ、健と関口を射殺してしまう。

殺された関口と男女の関係だった親分の情婦、トミ(南風夕子)はその晩、親分がベッドで寝込んでいるところを射殺。

これで3発消費。残り3発。

 

翌日、トミはコルトをハンドバッグに入れて地下鉄に乗るとスリに擦られてしまう。

そのスリは他の乗客の財布もすっていて騒ぎだされ、慌てて同じ車両に乗っていた教会のシスターが子供に配るおもちゃが入った段ボールに投げ込む。

 

そんなことを知らないシスターは遊園地(なんと後楽園)で幼稚園児?におもちゃを配る。ひとりの子供に本物の拳銃を渡してしまうが、子供はそれを手にもったままジェットコースターに乗る。(って後楽園のジェットコースターってそんな小さい子供が乗れるのだろうか・・・)子供が喜んで手をあげた瞬間に拳銃が手から離れ落下。

そこには赤ちゃんの乗ったベビーカー・・・・。そこへ若い女(丘野美子)が現れ拳銃を持ち去る。

その女は射的で遊んでいる連れの男、五郎(赤木圭一郎)と一緒にデパートの屋上へ行き、下に停まっている車めがけて一発。サイレンの音で慌てて逃げる途中ですれ違った売れない作曲家の木崎のポケットに拳銃を入れる。

 

木崎は下町の下宿に弟と住んでいる。弟のために自分の楽器を質にいれ修学旅行の旅費を作ったのだが、弟には自分の曲が売れたと嘘をつく。

自分のポケットに入っていた拳銃を警察へ持っていこうとするが、疑われるのを恐れその場を立ち去り下宿へ帰るとテレビ局?の人間が演奏者が足りないと迎えに来る。

タクシーへ押し込まれるが木崎は肝心の楽器がないから演奏できないというと質屋からその楽器をだしてくれることになる。局へ着いたタクシーの車内に木崎は拳銃を置いていく。

木崎たちが降りた後、すぐに乗り込んだ男女が拳銃をみつけ若者が集まっているダンス会場へ。

ここのシーンがまるでアメリカ映画をそのままパクったミュージカルみたいでやたらと長い。あげくに男女が乱交???の画面で男が拳銃を一発放ち、それを外へ投げる。

 

通りがかった義雄(川地民夫)が道に落ちている拳銃を拾い、恋人の和子(稲垣美穂子)をホテルへ呼ぶ。彼らは一緒に死のうとまず和子の頭に拳銃の銃口を向ける義雄だが改めて弾を調べてみると一発しか入っていない。これでは心中できないし、死ぬ気で頑張ればなんとかなる!ってことで(え?)倉庫街の岸壁から拳銃を海へ投げ入れる。

 

岡田真澄扮するエリック・・・って本当の兄、E・H・エリックのギャグか???

 

50分くらいの映画なので当時の2本立て、3本立てで上映されたんだろうと思う。

山崎徳次郎監督って事件記者でも監督なんだけど、なんだか男女のキスシーンが好き?らしく、この映画でも最初のヤクザの親分が経営している?クラブの中で客とホステス?があちらこちらで抱き合い、キスしている。その後、若者のパーティーでもものすごい数のカップルがキス、キス、キス。事件記者の第2話は江の島の海岸に若者の生態を取材しに行った菅(沢本忠雄)らが海岸でキスしまくっている若者を写真で収めるというシーンがある。なんだかいやらしいだよねぇ、その描写が。

 

 

日活より