日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

愛情 1956年 日活

監督 堀池清 脚本 池田一朗 原作 石坂洋二郎

出演 浅丘ルリ子 長門裕之 清水将夫 山根寿子 坪内美詠子 金子信雄

   二木てるみ 藤代鮎子

 

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いくらなんでもそりゃないだろう・・・って思った映画。へんな意味で(笑。

20年前、甥をこの地で亡くした老画家(清水将夫)が写生にきている。そこへ妙齢の女(坪内美詠子)が話しかける。

 

回想

福島の温泉宿で湯治にきた姉妹。姉(山根寿子)は結婚し幼い娘(二木てるみ)を連れている。妹の浜子(浅丘ルリ子)は散歩の途中、県内でも秀才で有名な太郎(長門裕之)を見かけ、彼が同じ旅館に逗留して試験勉強をしていることを知る。

 

そんなある日、姉の夫が突然旅館に来て姉は浜子を太郎の部屋で寝かせることにする。

なんでも夫が来たのが理由なんだが、いくらなんでも15,6歳の娘を18,9歳の学生と同じ部屋に寝かせるって・・・まずここまで見て呆れ(物語が現実的ではない)、

みるのをやめた。

その後、あらすじを読むともっとおかしなことになってるようで・・・

再度視聴開始。

 

浜子と太郎はお互い惹かれあい、手を握り見つめあう・・・それを目撃した姉はなぜか不機嫌となるのだ。

最初は妹を積極的に太郎の部屋へ行かせてしかも泊まらせてるのになんなんだ?この人。

ある晩、近所で火事騒ぎ。ビックリして起きた浜子だが、姉がいない。

そこへ慌ててどこからか戻ってきた姉は眠れなかったのでお恵さん(藤代鮎子)の部屋で話し込んでいたという。

このお恵さんという女は姉の知り合い?なのか映画冒頭、浜子たちと同じ部屋で話し込んでいたりして関係がわからないが、お恵さんの旦那が宿へ訪ねてきていて、だから浜子が突然姉の夫(金子信雄)がきて寝る場所がなくなった時にお恵さんの部屋も旦那がきているからという理由で太郎の部屋へ布団をもって押しかける。旦那がいる芸者か2号の女性と普通の主婦のような姉が仲良いのも変だった・・。

さらにビックリ慌てる太郎が画家である伯父さんのいる部屋で寝るというと姉が止める。その時の浜子の様子も面白半分で楽しんでいた。

もちろんその時は何もない・・。

 

ところが火事の晩は違った。火事ときいてでてきた太郎は浜子を見るとそっと手を握る。

翌日、なぜか姉は不機嫌で浜子が太郎のところへ行くのを叱る。そして夫を迎えに来させて明日帰るというのだが、ここでさらに姉は変な行動をとる。

夫が来たのでまた浜子を太郎の部屋で寝かせてほしいという。

もちろんオッケーな太郎。

真夜中・・・眠れない太郎が浜子の布団へ。目覚める浜子の拒否され、太郎はこの間だってしただろう・・・みたいなことを言う(笑。

そして浜子は気づくのだ。火事の晩、姉は太郎の部屋に行き関係を結んだことを・・・。で、いくら暗闇とはいえ、秀才な太郎、浜子じゃなくて姉だったってことが気づかないのが非常ーーーーーーーーーーーーーに変!だ!

 

浜子は太郎を不潔!といい、泣きじゃくる。

 

翌日、宿を離れるが太郎が見送りにこないので伯父さん(清水将夫)が太郎の部屋へ。

そこには浜子に宛てた遺書らしきものをあった。浜子にノートをみせると浜子は怒りの目で姉をみて平手打ち!ってとこが時代を感じる。この時代やたらと平手打ちするんだよね。女性って。

そして太郎は雪山の中で息絶えていた・・・。

 

その妙齢の女性は20年後の浜子で、老画家に当時あったことを告白し映画は終わる。太郎と関係をもった姉はその2,3年後、恋愛騒ぎを起こして行方不明らしい(え?)

 

1930年代に15,6歳の女学生と試験勉強中の男子学生を同じ部屋に寝かせるっておかしいでしょ。さらに率先して妹をなんとかして欲しいような行動をとった姉が太郎と見つめあう妹に突然の嫉妬?火事の夜にその学生の部屋へ忍んで関係を結び、しかもその学生が人違いしてることに全く気付かないって変過ぎるって(笑。

思わず姉と関係をもってしまい、良心の呵責に耐えかねてならまだわかるけど

浜子だと思っていて浜子じゃないことを知って死ぬってドジすぎないか?

なんだそれ?

 

試験勉強(なんの試験だかよくわからない)のために旅館に逗留するって

設定もなんだかねぇ・・・そもそも浜子、浜子で勉強がはかどってるとは思えない。

太郎にとっては浜子と出会わなければ死ぬこともなかったという残念な話。

☆ひとつ。

 

ヤフオクより