日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

浮草の宿  1956年 日活

監督 鈴木清太郎鈴木清順)脚本 山崎巌

出演 春日八郎 二谷英明 木室郁子 山岡久乃 安部徹 小沢一郎 宮崎準

 

www.nikkatsu.com

 

日活より

 

鈴木清順がまだ鈴木清太郎時代の作品。入社したばかりの二谷英

明が主演かと思いきや、春日八郎が主役(のような)歌謡映画だ(笑。

 

山岡久乃一人二役(姉妹)を演じているが、二谷英明の恋人であった姉、そして悪役で密売組織のボスの情婦となった妹・・・疑問(笑。

 

港湾荷役の縄張り争いで二人の男が死んだ・・・。

そのうちの一人三木(二谷英明)には横浜のバーの女、こずえ(山岡久乃)がいたが彼女は三木が死んだことが信じられない・・・・

 

それから5年。外国の密輸船から降りてきた男、中国名を名乗っているが彼が姿を消した三木だった。海に落とされ漂っているところをその密輸船に拾われ彼は組織の通訳として働いていたのだ。

 

三木はこずえを探しにバーへ行く。そこにはこずえがいたが、声をかけても彼女は全く三木のことがわからない・・・

 

そのバーには流しのギター弾き、志摩春夫(春日八郎)と妹のゆり(木室郁子)がいたが、謎の男たちに襲われた三木を彼らのアパートへ運び、介抱する・・・。

お礼にとゆりにこずえのために買った外国の香水を手渡して去るが、兄の春夫はそんなものを受け取ってはいけないと怒る。

 

二谷英明が襲われている最中に春日八郎がギターを弾いて流しているとなぜか悪党が退散するってのが???だった(笑。

 

妹役の木室郁子と二谷英明がやりとりする赤レンガ倉庫付近の演出はおもしろかったがなにせ基本が歌謡映画なんで鈴木清順も苦労したのでは?と思う。

二谷英明は日活入社早々だが小林旭より8歳も年上で年齢的にも遅い入社。(すでに26歳)それでも二谷英明が選ばれたのはやっぱり内に秘めるスター性なのだろうか(といっても爆発的なスターにはならなかったが)

木室郁子という女優さん、wikiもないしその後が知りたいです。可愛い+美人がミックスされたような人でした。

 

二谷英明と木室郁子

↑の映像ん後ろに移る建物は「あぶない刑事」でも登場した赤レンガ倉庫付近。この映画ではふんだんに登場し、それが1980年代のテレビドラマでも使われてみていて感慨無量でした。そこへ通じる新港橋梁にまだレールがあったころ、木室郁子がその梁にあがって二谷英明と話す場面は貴重な映像だと思う。ありがとうイカシタおじいさん、鈴木清順監督(ま、当時はまだおじいさんじゃなかったよねw)

 

現在の新港橋梁

オークファンより