日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女ひとり大地を行く  1953年 北星映画

監督 亀井文夫 脚本 新藤兼人 千明茂雄

出演 山田五十鈴 宇野重吉 織本順吉 内藤武敏 岸旗江 北林谷栄 花沢徳衛

   清洲すみ子 沼崎勲 朝霧鏡子 加藤嘉 桜井良子 木村功 丹波哲郎

 

日本炭鉱労働組合、北海道地方本部加盟の炭鉱労働者が一人33円ずつ資金を出して300万円でつくった映画だという。

当時の山田五十鈴加藤嘉と結婚しており、彼女は彼の影響をかなり受けていたと思われる。これまでにはないイメージの役で炭鉱で働き、息子ふたりを育て一生を終える女性の役。

実際は164分という作品だが、当時の映倫から朝鮮戦争を連想させる箇所の削除を要請されて130分ほどになったというが、見ていても「朝鮮戦争のことだな」って思えるシーンやセリフはある。

アマゾンより

昭和7年、生活苦から北海道の炭鉱へ行った夫(宇野重吉)を訪ねて幼い息子二人で北海道へ渡ったサヨ(山田五十鈴)だが、夫は山の爆発で亡くなったという・・・。

秋田では借金を返すために女郎屋へ売られそうになり逃げるようにでてきた)サヨは帰る場所もなく、炭鉱のおかみさん(北林谷栄)の口利きで山の炊事婦として働くことになるが彼女は息子たちに教育をうけさせるためにもっと稼げる炭鉱夫として山に入る。

 

近所の炭鉱夫(沼崎勲)との出会いとか、長男(織本順吉) が同じ炭鉱で育った娘(桜井良子)と駆け落ちとか、労働環境とか、2時間越えだが飽きない。

ただ、新藤兼人脚本なので時間軸が??なところがある。山田五十鈴が子どもを連れて炭鉱へ行く時の次男はまだ赤ちゃんなんだけど、宇野重吉が出稼ぎに行く時も赤ちゃんなのだ。

しかし、突然感満載で大きくなってたりするので戸惑う。

 

先日みた「深川通り魔殺人事件」のドラマで犯人の母親役の女優さんは見たことない顔だったが地味にうまく記憶に残ったが、この映画のキャストで名前が載っていたのは驚きだった。ただ役どころがわからない・・・。1953年だからまだ若い(といっても中年)なはず。

 

秋田から北海道へ

長男(織本順吉)と駆け落ちする隣の娘(桜井良子)

岸旗江内藤武敏