日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

脅迫 おどし  1966年 東映

監督 深作欣二 脚本 深作欣二 宮川一郎

出演 三國連太郎 春川ますみ 保積ペペ 西村晃 室田日出男 田中邦衛 

   内田良平 三津田健 中原早苗

 

東映チャンネルより

作監督のだが想像とは違う(ヤクザとかギャングとか)サスペンス。ただし、???な疑問はあったが。

西村晃出演なのでチープ感なし(笑。春川ますみはちょっと危険だったがw・・・想像よりソフトな演出だった。

 

営業部長までのぼりつめた三沢(三國連太郎)。ここまで我慢とゴマすりで耐えてきた。まぁ普通の人。

新興住宅地にマイカー、妻の弘子(春川ますみ)と一人息子の正夫(保積ペペ)と暮らしている。

部下の結婚式から帰った晩、招かざる男ふたりが押し入ってくる。

脱獄した未決死刑囚の川西(西村晃)とサブ(室田日出男)。逃亡中に田園調布の医者、坂田(三津田健)の孫の赤ん坊を誘拐し、身代金1000万円をとって高跳びしようともくろんでいる。

 

川西は、三沢がこれまで我慢、我慢で耐えてきた男だとわかり、自分の命令にもそむくことはできないと踏む。実際その通りで三沢は彼らの手足となっていく・・・。

(この時代、まだ「戦争はどこへ行った?」というセリフがでてくる。南支だと川西に答える三沢)

 

家族を危険にされされているので、川西たちの言うことを聞かざるをえないのはわかるけど、素人目からみても逃げられる状況はたくさんあった(疑問1)。

 

ま、それはおいといて・・・

川西は身代金受け取りを三沢にさせることにする。

坂田に用意させた金をデパートの屋上で受け取ることにし、三沢を行かせる。

・・・その当日、なんと川西は三沢に会社へ行く(え??)

三沢は普通に会社へ行き、お昼に金の受け取り場所であるデパートの屋上へ行くが、一計を講じて座っていた労務者風の男(内田良平)に12時15分になったらあの辺を歩いてくれと頼む。そして屋上にいる坂田を電話をかけて呼び出してもらい、周囲に張る刑事を確認。歩きだす労務者男を刑事が取り押さえている隙に逃げ出す三沢・・・結局金はとれなかった。

社へ帰る途中、交番を見てどうしようか・・と迷う三沢だが結局社へ戻ると誰もいない・・。なんとその日は土曜日で半ドンだった(わー、土曜出社の半ドンって懐かしい言葉だw)。

 

で、子供は学校を休ませたのになぜ犯人たちが会社に行けと言ったのは疑問2。

家族三人で玄関へ行ったりするシーンなんかもあってそのまま逃げれるんじゃないかとも思ったり・・・

息子と母ふたり、部屋で過ごすが、窓くらいあるだろうからそこから逃げれなかったのかとか(笑。

 

まぁそれもおいといて・・・

ここからが結構面白くなるのだが、すごすご家へ帰った三沢にもう一度やれという川西。今度は三沢一家全員と誘拐した赤ん坊、そして川西とサブの全員で車に乗り指定した喫茶店へ・・・。やはりそこにも刑事が張り込んでいるが三沢は坂田にひとりで行動しろと電話で指示、坂田はある駅の改札付近に行く・・

って、刑事はどーした?そんなひとりで行動させるのか?が疑問3.

 

ま、それもよしとしてw

 

改札付近で声をかけカバンを受け取った三沢。

 

車で待つ家族と脱獄犯。

 

そこへカバンを手にした三沢がやってくる。車はガード下に停めているが、三沢はなかなか降りてこない・・・なにをしているんだと訝る犯人二人をしり目に三沢はまた姿を消す。車中ではイラつく川西に拳銃を向けられた弘子だが、殺すなら殺しなさい!とまさかの逆切れ。

我慢ならないサブは三沢を追って外に出ると三沢は通りの反対側にいる。

追うサブは三沢を反対側のガード下で追い詰めるが三沢の反撃でノックアウト~~。

(殺しちゃうかも!と思えるスゴイシーンだった)。

騒ぎをききつけ警察がやってくる。

それを察知した川西は弘子に発砲して逃げようとしているところに三沢が車のドアを

川西の手を挟んで拳銃を落とさせる。このシーンも凄かった。

 

何もできずに逃走する川西を追うたくさんの警察。

線路へ逃げ込んだ川西に列車が~~~~わ~~~~。

 

三沢にのされたサブが逮捕され(殺さなくてよかった)、無事赤ちゃんを抱いて喜ぶ祖父と娘(赤ちゃんの母・中原早苗)、そして三沢一家 に記者のフラッシュが焚かれる。

 

最後はハラハラ・ドキドキ・何もできない従順な男と思われていた三沢の反撃で終わる。面白かったがこれでは家族は逃げられないよね、三沢は警察に通報できないよね・・と思わせる何かが欲しかった作品。

暴力シーンはさすがの深作欣二だなと思う。

保積ペペは懐かしい子役だ。

アマゾンより