日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

透明人間  1954年 東宝

監督 小田基義 脚本 日高繫明 撮影 円谷英二

出演 河津清三郎 三條美紀 高田稔 土屋嘉男 植村謙二郎 村上冬樹 汐見洋

   近藤圭子 重山規子 佐田豊

 

アマゾンより

東宝名画座の無料視聴期間の最後を飾ったのがwこの作品。

透明人間系ってどーも○○だったんだけど、この作品、思わず前頭葉が緩んだところがあった(;^_^A

さらに見ものは昭和29年頃の銀座4丁目交差点!!

なんと三越の角の築地方面には二階建ての木造家屋が並び、カレーレストランなんかが営業している。シーンによってセットのようでもあるがロケも行われているのは間違いないので貴重な映像だ。

 

銀座4丁目で車を運転していた男が人を轢いてしまった!と急停車。ところが誰もいない・・・。しかし見物人の一人だった朝夕新聞の記者がタイヤのところの血だまりを発見。そして人型が現れ、轢かれた男が車の下にいるではないか!その男がもっていた遺書には戦争中、南方で特殊部隊に所属していたが、ある薬品で彼は透明人間になってしまい、元に戻す手段もないので世をはかなんで自動車に飛び込んだことがわかった。

透明人間はもうひとりいるらしく、街頭テレビでそのニュースを知った人々は混乱する。そこに街のサンドイッチマンをしているピエロの南条(河津清三郎)と仲間(佐田豊)が通りがかる。ピエロの南条は築地のアパートに暮らし収入といえばそのサンドイッチマンで稼いだ金だけだ。同じアパートには失明しているまり(近藤圭子)という孫娘と工場の守衛をしている祖父(藤原釜足)がおり、南条はまりのことを心配しお菓子を買ってきたりする。アパートの並びにはナイトクラブで歌っている美千代(三條美紀)が暮らしている。

 

あの飛び込みの後から、透明人間を名乗って強盗が頻発し、それを追う朝夕新聞の記者、小松。

警察ではなかなか犯人検挙といかず、社会は混乱する。

 

ネタバレだがピエロの南条が透明人間なんだけど、美千代と夜の日比谷公園

「美千代さん、僕たち一緒に助け合って生きていけないもんかなぁ」の一言で涙が!(笑。河津清三郎のセリフがうまくて泣いちゃいました。

 

高田稔はまさかの悪役だったが、結構よかった。

この映画に出演した人はほぼ全員がいないと思うが、子役の近藤圭子という人は

歌手としても成功し、なんだか不倫したとかで芸能界を引退、その後文京区で店を出したというのでまだ生きているのだろうと思ったら(引退してしまったのでwikiには記述がないが亡くなったらしい・・・というのをあるブログで知った。

 

アマゾンより