日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

君たちはどう生きるか 1960年 東映

監督 岩佐氏寿 酒井修 脚本 岩佐氏寿 山形雄策 原作 吉野源三郎

出演 牧真介(牧真史) 大塚道子 杉山徳子 三好久子 内藤 雄 渡辺素行 羽生悟

   鈴木寿雄

 

暑い!暑い! 東京の梅雨が明けましたが、梅雨といっても後半は雨なしで、梅雨明け同然な晴天続きですが、雨が降らないのでとにかく気温が下がらない!

 

で、今上映している宮崎駿監督の映画ではなく、1960年に東映で製作された児童向け教育映画らしい。東映ってヤクザばかりじゃなく、教育映画も作っていたのは驚き(笑。さらに日活にいた牧真介が出演。すでに日活を退社してフリーになっていたかと思われる。キャストに役名がないので子役(と言っても中学生だが)が誰が誰だかよくわからない。

 

牧真介と(多分)内藤雄

中学生のじゅんいち(じゅんいち 漢字不明)は学者だった父を過労死で亡くした。母(大塚道子)は弟(母の弟か父の弟か映画では不明 牧真介)を家に呼び寄せ息子の勉強を見て欲しいという。雑誌記者の母は息子には人間として立派な者になって欲しいと言っていた亡き夫の願いを叶えたいのだが仕事でなかなか話し相手にもなれない自分の代わりに弟(牧真介)を居候させるのだ。

 

牧真介

じゅんいちのおじさん(牧真介)は電子計算機の技師をしている。彼はおじさんを通して色々と学んでいくのだ。

組には「あぶらげ」というあだ名の豆腐屋の息子がおり、彼が鉄棒ができないと同級生は「あぶらげ~~」と叫んではやし立てる。

クラスではその彼が笑いものになったりとイジメられるが正義感の強い北見という男子生徒がイジメたクラスメートとケンカになる。

北見君

教員室に呼ばれた北見君だが言い訳はしない。それを見てじゅんいちは考えてしまう。

 

ことあるごとにおじさんはじゅんいちに自分で考えろと言う。

 

 

北見君は柔道部に顔を出さなくなったので上級生から待ち伏せされる。

じゅんいち達は前もってもしそうなったら北見君を守って自分たちも殴られようと話がまとまったが、じゅんいちはいざその場面を目撃すると足がすくんでただみんなが殴られるのを見ていただけだった・・・・。良心の呵責で寝込んだじゅんいち・・・

 

なかなか面白い教育映画でした。

ちなみに宮崎駿監督の作品もこの原作者の本の題名からとったとあるので

おじさんとコペル君(じゅんいち)は登場するんだろうと思います。

 

この映画で私が印象的だったのは母親が女学生だった時の話を息子にするところ。

彼女が神社の長い階段を上っていくと荷物をもったおばあさんが大変そうに階段を上っていたので荷物を持ちましょう・・と言おうとするが、なんとなく言えなくて、結局何もできないうちにそのおばあさんは階段を上りきってしまった・・・というくだり。

誰でもそういうことってありますよね。恥ずかしさとか断られたらとか思っているうちに結局なにもできない。

 

大塚道子

ただ、今の時代、下手に声をかけても「あんた誰?私をだまそうとしてるんでしょ!」

みたいな顔をする人もいるし、子供は親から知らない人と口をきいてはいけないって言われてるから逆にこっちが不愉快な思いをする時があって、そういうことを経験すると結局、知らんぷりしたほうがマシってなる(;'∀')。

それにしても不思議なのは子供の頃から知らない人とは口きかないで育ったのにSNSで知ったどこの誰だがわからない、ネット上で言ってることがホントかウソかわからない人に会いに行くとか、会ったことすらないのにお金送金しちゃうとか疑問でしかない(笑。