日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

灼熱の椅子  1963年 日活

監督 野口博志 脚本 小川英 神原孝

出演 和田浩治 松原智恵子 香月美奈子 垂水吾郎 木浦佑三 山本礼三郎

   菅井一郎 山内賢 山田禅二 深江章喜

 

www.nikkatsu.com

 

日活より

和田浩治主演作で今まで観たもののナンバーワン!こーゆー作品好きだな♪♪

それにしても和田浩治、19歳なのにこの堂々たる演技はなんだ!

イメージを裏切った面白い役だった童顔の山内賢

組織の一員として登場する男たちも皆かっこよく、近藤宏とか青木富夫、野呂圭介が出ないのでこれもグッド(笑。

この作品の灼熱の椅子という名前が最後にわかる~~。

 

冷酷な和田浩治っていいな♡

 

街でぽん引きをしているカツ(和田浩治)。ある晩、ギャングのリンチ?を目撃する。

カツが声をかけた中年男が慌てて警察へ電話しようとしたがそれを制止したカツ。それを見たギャング一味の野島(木浦佑三)がカツを気に入り、困ったことがあったら連絡しろと名刺を渡す。野島はカツが憧れている大崎会の人間であった。

父を知らないカツは母が世話になっている男のバーの二階に住んでいたが、尻軽な母は行方不明となり、浮気を疑った男から追い出される。

その男に一矢報いようとカツは野島に連絡して男を脅してもらう。

 

そして大崎会に入会した。ある日、野島がカツのアパートに来て部屋を貸せという。

睡眠薬で眠らされた娘を部屋に運ぶ野島。

野島は会の金を持ち逃げし、その娘に一緒に逃げようというのだがそうこうしているうちに会の人間に射殺された。カツは娘を隠し、やはり行く場所がないという自分と同じ境遇の娘をほっておくことができず、その後、影となってその娘、美嘉(松原智恵子)を気に掛けることになる。

 

初めての仕事でカツは殺しをいとも簡単に行い、会の幹部、海津(垂水吾郎)から気に入られる。海津は英国製の背広を着こなす男で、その情婦は節(香月美奈子)という女だ。彼女は積極的にカツと関係をもつ。カツも平気で兄貴分の情婦と寝る男だ。

そして冷たく、自分が本当に愛する女はお前のような女ではない、本当に好きな女とはそんなに簡単には寝ないのだ と言い放つ。(美嘉が好き!)

 

ここでよくわからなかったのが、カツが海津の家で節と会うと、節は「今はこの男を一緒にいる」といったようなセリフだ。野島が殺された晩、カツは節がアパートに来ており、組織が追っているのだというのだ。ということは節は野島の情婦だった?ってことか???(ま、いいけど w)

 

そしてギャング映画ではお決まりのボスを殺して・・・という話になる。

 

ここでもカツは冷酷に行動するが、靴磨きをやっているというキッド(山内賢)の登場で面白くなる。

 

あれだけ好きだった(と言ってもカツは美嘉に告白すらしない)美嘉だが

え~~~それってカツが可哀そう~~~だ~~~という終わり方。

 

組織で出世を夢見て、自分がボスの椅子に座るのだというカツだが・・

 

これまでのお気楽な話とは違ってシリアスで冷酷な和田浩治の魅力を堪能できました♪♪

それにしても未成年が映画だといえタバコ吸って問題にならない時代の作品でした。

しかし香月美奈子、垂水吾郎、山本礼三郎相手のあの演技はすごいな和田浩治

 

オークフリーより