日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

処女喪失  1965年 日活

監督 井田探 脚本 井田探 原作 竹中労

出演 和田浩治 川地民夫 二本柳寛 藤江リカ 内田高子 埴洋子 小杉典子

   柏木優子 真山ひとみ 杉山俊夫 山田禅二 河上信夫 新井麗子

 

藤江リカと和田浩治

金曜日の夜は「不適切にもほどがある」です!第3回の先週はラインの既読についてでしたがまぁあまり面白くなかった。今夜に期待ですが午後10時からなので寝ないようにしないと・・・このところ9時には寝てしまう・・(笑。

 

で、なんかポ〇ノみたいな題名のこの作品。

現在では完全に「犯罪」を犯す男ばかりでてきます。昭和40年当時はそれが犯罪であるという認識ではなかったんでしょうが、「不適切」どころか「刑事事件」ですよ。それでも同じようなことが週刊誌を騒がせている現代社会。なんていうか懲りない男たち。

川地民夫和田浩治、二本柳寛、新井麗子、山田禅二、河上信夫、杉山俊夫以外私は知らない俳優さん、女優さんばかりでした。とりあげている題材が「処女」、しかも「喪失」だからでしょうか??

 

いつ、どうして、どうやって処女をなくしたのか?という単なる好奇心(特に男性の)

で作ったような4,5人の女性が登場する映画(笑。意味深な題名なので当時は期待した人も多かったと想像できます(笑。

 

「処女喪失」の手記を募集した週刊誌の記者、天野(川地民夫)は手記を寄せた女性達のうち面談で会えなかった4名の女性がいた。

そこへ山岸(和田浩治)という男が訪ねて来た。彼には綾子という婚約者がいたが死んだという。

綾子は手記を書いた女性の一人だったが面談の日には来なかったひとりだ。

そこで天野は山岸に綾子が送った手記をみせることに。

 

その1

船乗りの山岸(和田浩治)には綾子(藤江リカ)という婚約者がいた。ところが山岸が船に乗っている時、綾子は悪い男たちに売春婦として働かされてしまう。

意気揚々と日本に帰ってきた山岸は仲間から酒をしこたま飲まされ、酔って安宿で寝ていると仲間が勝手に呼んだのか女が下着姿で立っていた。売春婦らしいがなんとその女は綾子だった!!お互いに気づくと綾子はそのまま部屋を飛び出しなんと列車に身を投げて死んでしまったのだ。

 

綾子が4人の男から暴行されたことが赤裸々につづられたその手記を読む山岸!!

 

その2

会えなかった女性を訪ね歩く天野。

 

さと子(内田高子)は大阪でバスの車掌をしていた。同僚と借りているアパートは同僚の男友達が来ている間、さと子は部屋からでなければいけない。

ある日、部屋に帰ると同僚と男が一緒のベッドに。何も知らないさと子はショックを受けるがそれをみた男(杉山俊夫)は純情なさと子に目をつけ、ある日強引に・・・

処女でなければお嫁にいけないと思っていた(注:思わされていた時代)さと子は男に結婚して!とせまるが、ただの遊びだった男は気にも留めない。

山岸の婚約者の綾子も、カバンを奪われて途方に暮れている時に優しく声をかけてきた男性に暴行されたあと、結婚して!というが、なんなの?あの時代。

 

傷心のまま大阪にはいられないと東京へひとりでてきたさと子はやはりバスの車掌として働く。そこでバスの運転手をしていた現在の夫(木浦佑三)と知り合う。プロポーズされた時、さと子は自分は処女ではないから結婚できないというが(え~~~~~)、それでもさと子を愛していると言われ、今は双子の母親として、そして妻として幸せに暮らすさと子であった。

 

その3

大学病院の看護婦、すえ子(埴洋子)は将来有望な医者と結婚の約束をしている。

ある晩、当直だったその医者にどうせ結婚するのだからと迫られ関係をもつ。その後なぜか彼はよそよそしくなり、病院で倒れたすえ子は妊娠していたが流産。入院中、その彼と同期だったという産婦人科医から彼が教授の娘と結婚することを聞かされ、結婚式場へ乗り込むのだが・・・。

 

その4

結婚式場で巫女をしているミキ(柏木優子)。有利に結婚しようと男を見定めている。そのうちの男の一人はミキに気に入られようと会社の金を使い込むがミキはそれはあなたが勝手にやったことで自分は関係ないと冷たい態度をとる。

ミキのアパートから帰る男に刑事が迫るが男は逃げ、ミキの職場へ現れてミキをめった刺しにしようと襲い掛かる!(こういう事件、今でもある!)そこへミキと会っていた天野が止めに入るがミキは顔に傷をおってしまうのだが・・・

その5

編集部にどうしても話したいという女から電話があり、天野は芸者をしているという秀菊(小杉典子)に会う。

彼女の家は貧しく、母親は病弱な父を残して蒸発。彼女は父や幼い兄弟のために15歳で芸者になった。中年の贔屓に処女を捧げたが、そのおかげで父や兄弟の暮らしがたったので自分は幸せだというが、その目から涙が・・・

 

最後~~

婚約者を亡くし、傷心の山岸は海辺の旅館に逗留し毎日釣りをしていた。その旅館には捨て子だった娘、雅子(真山ひとみ)が山岸の世話をやく。すっかり仲良くなった二人だが、雅子の生みの親は長崎にいるらしいが、自分は飼い殺しだからお金も貯められず、長崎にも行けないというと山岸は6万円という大金を雅子にあげるという。

その金は綾子との結婚式のための金だったが今の山岸には無用な金なのだ。

雅子はお返しに自分の肉体を捧げるというが、山岸は結婚するまで大切にしないといけないと諭す・・・いつしか二人に愛が生まれ、なんと二人はめでたく結婚!!

 

ちょっと順序が違うかもしれないがこんな感じの作品でした。

 

処女でないとお嫁にいけない!という時代ですが、それにしてもここにでてくる和田浩治川地民夫、二本柳寛、河上信夫(父役)以外の男性はなんて悪い奴なのだ!とプンプンになる作品でした(;^_^A

そーいえば、昭和56、7年頃、「女は子宮で考える」といってはばからないおじさんがいたなぁ。某超大手建設会社に(笑。ベビーブーマー世代だったのですでに後期高齢者になっていると思います。さすがに現代ではそんなことを言う男性は皆無でしょうが、

それでも暴行やら不同意○○やら果てはストーカーのあげく女性を刺し殺したり・・ってこの作品当時と変わってないのはどうしてですか???