作 井沢 満
出演 鈴木清順 加藤治子 根本りつ子 早川保 小磯勝弥 岡本麗
イタリアの名作が「道」なら、これは日本の「道」といえるNHKドラマ。
なんとワタクシ、リアルでこの作品見てました。目黒にいた頃でたまたま見たといったほうが良いかも知れません。当時、22歳。
高齢となった夫婦のロードムービー。22歳の若者でも時間も忘れて見入ってしまったのを覚えています。
その後、10数年前?くらいにまた見たんですよね。どうして見れたのか忘れましたが。
主人公で元教師だった夫役は鈴木清順監督だったのですが、当時はそんな有名な人だとは知りませんでした。古い邦画を見るようになって彼が斬新な監督だったことがわかりました。
好きな監督のひとりで、私にとっては「イカシタおじいさん」ですw
このまま萎んでいくのか?そんな思いもあって定年退職し年金暮らしとなった元高校教師の夫(鈴木清順)はリュウマチを患って 車いすの妻(加藤治子)を連れてワゴンで日本列島の旅へ出る。
物語は年に一度、九州の別府にある大学病院で妻を検査入院させ、医師から旅暮らしを続けてよいかのお墨付きをもらう・・から始まる。
いかにも昔の男性っぽい主人公の夫は「ばっきゃろ~」が口癖。
妻も夫に黙ってついていくような女性で、私とは大違い((;^_^A。加藤治子がイメージにピッタリです。
夫はたまにイライラするのか些細なことで妻と喧嘩したり癇癪を爆発させたりする。
妻は妻でこんな身体になってしまった自分と一緒で夫は幸せなんだろうか?自分が死ぬときはどう思うのだろうか?などと考えたりする。
釣りが趣味な夫が魚を釣り上げて車へ帰ると、ワゴンで待っていた妻が亡くなっている。
で、終わりがまたカッコいいんですが、妻を荼毘にふしてひとりでまた旅へと出発する。途中、ヒッチハイクの若い娘が手をあげるが、車を止めると彼は「悪いな、この席は指定席なんだorもうすでに乗っている」とかの意味のことを言ってワゴンは走っていく。
その時のちゃんとしたセリフは忘れてしまったのでネットで調べようとしましたが、わからず。この作品のブログを書いている方も、妻が残した書き置きの「お父さんありがとう・・・」のことしか書いてないんですよね。
鈴木清順が言った最後のあのセリフをもう一度聞きたいです。
イカシタおじいさん・・なんて書きましたが、このドラマ当時、清順監督は1923年生まれの還暦60歳!というか、公開が1983年3月。清順監督は1923年5月生まれなんで撮影当時はまだ58.9歳でしょう・・・。
今の私より年下です(;^_^A。時間の経過を考えて苦笑中。もう41年も前のドラマですもんね。