日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

浮草日記 1955年 独立映画

監督 山本薩男 脚本 八柱利雄 原作 真山美保

出演 東野英治郎 津島恵子 菅原謙二 高橋昌也 松本克平 花沢徳衛 小沢栄

   永田靖 浜田虎彦 中谷一郎 小沢昭一 仲代達矢 東山千栄子 岸輝子

   岩崎加根子 江幡高志 田中筆子

江幡高志・菅原謙二津島恵子

題名からすると旅芸人一座の物語かとおもいきや、なんと労働組合もでてきてしまい、お話満載であらすじを書くのがムズカシイ。

山本プロダクションと俳優座製作。若かりし仲代達矢もちょっと顔みせありですが、

当時は中谷一郎や高橋昌也のほうが実力が認められていたのかな。

津島恵子俳優座だったのか?と思いきや、違った。映画女優として松竹からデビューして俳優座とは最初から関係がなかった。まぁ、当時人気だった津島恵子で見に来て欲しいっていうのもあるかも。大映菅原謙二も出演しているし。しかし元々彼は俳優座養成所出身だった。

ただ、津島恵子はかなり無理して演技してる感があった。あの役ならそれこそ高峰秀子を推す!これは彼女だけじゃなくて出演者の演技が劇(舞台)みたいな(セリフ回しや動作が)映画。お話のせいもあるかもしれない。東野英治郎、松本克平、小沢栄はうまかったけど。

津島恵子東野英治郎

 

旅回りの「市川馬五郎一座」。座長の馬五郎(東野英治郎)の養女、おけい(津島恵子)は男勝りのおきゃんな娘だ。一座は興行主である玉木屋(小沢栄)からなかなか出演料がもらえず、困窮する。一座の役者たちのために馬五郎は大切な時計を金に換えて座員に配るが焼石に水だ。花形の市川新之助は美男子のモテるオトコだが女癖が悪く、同じ座員の伝助(江幡高志)の女房でやはり役者の美佐子(加代キミ子)とも関係をもち美佐子が本気になると冷たく別れるような男だ。しかしそれでも行く先々で娘を騙し、毎晩のように娘が訪ねてくる。

高橋昌也

新之助は美佐子の件で馬五郎から追い出されるが、玉木屋の差し金で舞台に出さざる得なくなった。玉木屋の後ろ盾でいい気のなった新之助はこれからは自分のやり方で芝居をすると言い出し、座員からは良く思われない。切ったハッタの場面で、女房を寝取られた伝助は本物の刃物で新之助を追いかけまわし、舞台はめちゃくちゃに。

そこへ玉木屋から炭鉱町で興行をうてと言われ、金を払って欲しい馬五郎はしぶしぶ一座を連れて炭鉱へ。そこで労働者の話に段々なっていく。

松本克平・東野英治郎

必死の宣伝と炭鉱のおかみさんたちの協力でなんと舞台は満員に。閑古鳥が鳴いているだろうと様子をみにきた玉木屋の手下の朝田(中谷一郎)は集まったお金をもって姿を消した・・・。

東野英治郎中谷一郎・・・その後、黄門様と風車の矢七になるんだけど、ここでは敵対関係で東野英治郎に盾突く役だ。彼ら二人のシーンでやたらと水戸黄門を思い出してしまった。

金は持ち逃げされ、どうにもならなくなった馬五郎。一座が泊っている小屋に突然労働組合の組合員たちがやってきた。ストをやるからこれからそこで準備をするという。ストときいて吉次(菅原謙二)はアカじゃないか、みんな注意しろという。社会に疎い一座の人間と労働組合員との交流が面白い。当時の社会意識を反映している。

そこに3万円だすから組合員に見せるための舞台にたって欲しいと声がかかる。現代劇など演じたことのない一座だが組合員と一緒になって舞台にたつ。会場いっぱいの観客とものすごい拍手。一度一座を解散しようとまで思った馬五郎は興行主に頼ることなくこれからも一座を率いて行こうと意を決して炭鉱町を後にするのだ。

詳しくはYouTubeで!(丸投げ)

仲代達矢

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