日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

疑惑 1982年 松竹

監督 野村芳太郎 脚色 松本清張 原作 松本清張

出演 桃井かおり 岩下志麻 中谷昇 江本明 鹿賀丈史 山田五十鈴 伊藤孝雄 真野響子 小沢栄太郎 内藤武敏 森田健作 松村達雄 丹波哲郎 北林谷栄

www.shochiku.co.jp

 

衛星劇場より

昨夜、BS東急松竹で放映した「疑惑」

今夜は加藤剛岩下志麻の「影の車」が放映されますが、BS12で「健さん」映画が放映されるのでそちらを録画予定。「疑惑」はオンナが怖いですが、「影の車」は子供が怖いです。

このところ、毎日桃井かおりを見ているような気がします。70年代から80年代は彼女の全盛期でしたが当時私は桃井かおりが好きではありませんでした。ただ、嘘つきでいい加減な憎らしい役をやらせたら彼女の右にでるものはいないと改めて思います。好きじゃなかったのは彼女の演じる役のせいだったかもしれません(;^_^A。

弁護士役の岩下志麻は彼女も気の強い女性を演じたらピカイチですね。デビューした時は普通の美人女優さんだったんですけどね。その後の極道の妻シリーズも凄かった。

この作品で印象的なのはやはり桃井かおり岩下志麻演じる弁護士の着ている真っ白なスーツに赤ワインをドバドバかけるシーン。怖すぎるオンナたち。

 

富山の名門酒造会社の跡取りで7年前に妻を亡くした白河福太郎(中谷昇)は東京出張の際、連れていかれた新宿のクラブでホステスの鬼塚球磨子(桃井かおり)に篭絡され、育ちがよく、純粋な福太郎は球磨子に夢中となる。彼は東京にいる球磨子に浮気されないように、結婚を申し込み、球磨子を富山に連れて行く。

福太郎の母(北林谷栄)以下、親戚はもちろん反対だったが、入籍してしまい、福太郎の中学生になる息子は球磨子と一緒にいたくないと祖母のいる本家で暮らすようになる。

桃井かおり

 

福太郎は球磨子の言うことはなんでも聞き、彼はまるで球磨子の召使のようだ。ある夏の日、海へ行った帰りに埠頭から二人の乗る車が転落。球磨子は助けられたが、福太郎は翌日引き揚げられた車中で水死していた。車内に残された小型スパナと福太郎の片方だけの靴。事故を聞きつけた新聞記者(柄本明)も地元警察も評判の悪い後妻の球磨子を疑う。

実際、球磨子を受取人とした3億以上の生命保険金が福太郎にかけられており、彼女は物的証拠がないまま逮捕勾留される。当初、白河家の顧問弁護士原山(松村達雄)が担当弁護士になるはずが、彼は東京から敏腕弁護士、岡村(丹波哲郎)を呼び寄せる。しかし彼から弁護を断られ、初公判で原山弁護士も突然辞任する。誰も球磨子の弁護をやりたがらず、国選弁護人としてやっと決まったのが民事をメインとしている佐原律子岩下志麻)だった。

岩下志麻真野響子

律子には離婚した夫(伊藤孝雄)と夫が引き取った娘がいる。月に一度娘を会う約束で離婚を承諾している。ここで律子の個人事情も描かれる。

 

公判が始まると色々な証人がでてきて彼らの証言は球磨子に不利なものだらけ。昔の球磨子の男で執行猶予中の豊崎鹿賀丈史)の証言をきいて激怒した球磨子は裁判長の前で彼につかみかかって大暴れ。迫真の演技。球磨子の過去もドンドン暴かれ、福太郎と結婚前に働いていた新宿のクラブのママ、とき枝(山田五十鈴)の証人喚問はオモシロイ。いかにも泥水をのんでオンナを武器にのし上がってきた水商売の年増感満載のメークや着物の着付け。裁判長から年齢を聞かれても答えなかったりする(笑。

山田五十鈴

 

裁判にかけられたことがないのでよくわからないんですが、検察官が「意義あり!」と言っても裁判長が律子の言い分をきいて異議を却下する回数が多いような気もするし、まるで警察取り調べのように証人として律子が召喚した福太郎の息子に接するシーンはどーかな・・・しかしそれがないとある証言がえられなかったので見ていた私は悩んだ(笑。その証言は律子も想像しなかったもので、それによって球磨子は・・・。

 

Amazonより

 

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