日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夢に見た日々 第10話(最終回)仲間のいる店 1989年12月21日 テレビ朝日

監督 深町幸男 作 山田太一

出演 千葉真一 桃井かおり 佐野量子 坂上忍 三崎千恵子 中島唱子 

   なぎら健壱

桃井かおり千葉真一

 

いよいよ「夢に見た日々」の最終回。最近、記事にしたい映画が目白押しで書きたいものが溜まってしまっていてちょっと焦ってます。時間をおくと忘れちゃうんで(;^_^A

第9話はこちら↓

nihoneiga1920-1960.hatenablog.com

 

テレビ局の取材を受けた後から夜の客足も日に日に増えていったレストラン・テラス。

毎日忙しく皆働く。この調子なら従業員を増やし、支店を出すことだってできる・・洋子は夢を膨らませた。だが、それが自分の夢だったのだろうか?違う、そういうことではなかったとも思う洋子だ。

そんなある日、慎作(千葉真一)が倒れ、過労と不整脈で入院した。夜、店をぬけて慎作を見舞った洋子(佐野量子)は彼が留守の間のことを考え、店も多忙となっているので帰ってから人を雇うことを提案するがとおばちゃん(三崎千恵子)やシェフ(なぎら健壱)らの反対にあう。それなら明後日の火曜日、店を休まないか?と案を出す。みな疲れ切っているからだ。しかし、みんな休むことはない、休んだら入院しているマスターも這ってでもでてくるとそれも却下。それにせっかくお客さんが来るようになったので休みたくないと言うのだ。今なら超ブラックレストラン(笑。24時間働けますか?の時代でしたが、従業員から休まない!というレストランテラス。

千葉真一佐野量子

 

困った洋子は多恵子を訪ねる。多恵子は慎作の入院を聞き、手が足りないでしょう、私が行って店を手伝うという。それは嬉しいが洋子は店を休もうとしていたのがそうもいかなくなった。

多恵子は一週間の休みをとり、テラスを手伝う。みんなの秘密を暴露してから店に行かなくなった多恵子だが、謝罪し、おばちゃんからはあなたのおかげであの後みんなの結束が強くなったと言われ、多恵子を許してくれているようだ。

三崎千恵子桃井かおり

 

その晩、慎作がこっそり病院を抜け出して店へ来る。彼は洋子が言うように店を休んでみんな休息した方が良いという。

そこで洋子の言ったとおり、明後日の火曜に店を休業することに。

慎作は病院へ帰った。

桃井かおり坂上忍千葉真一三崎千恵子

 

火曜日。洋子は朝10時まで寝て、溜まっていた洗濯をした。午後2時から正美(中島唱子)と原宿で待ち合わせの約束をしている。すると、アパートに早川(坂上忍)が訪ねて来た。彼は、多恵子から洋子に恋愛感情はないのか?と訊かれた後、自分の気持ちに気づいた。洋子に告白しにきたのだ。洋子は少し考え、「早川はまだ大学生だし、来年就職したら別な世界がある。気持ちも変わるかもしれない、私は男性から傷つけられたばかりだし、このまましばらくモヤモヤした関係でいよう」と言うのだ。

そして早川と原宿で会ったという設定にして正美と3人で原宿をぶらつくのだった。

坂上忍

 

同じ日。退院してきた慎作のところへ多恵子がやってくる。彼らは自分の店に対する夢を話し合う。多恵子は銀行員なのでつい利益追求してしまうが、この店は違う形にしたいという。慎作も同感だ。そして彼から多恵子が必要だと言われる。たじろぎながら多恵子は「土・日だけの関係でよい、それにここに来れば仲間がいる」と言うのだった。

桃井かおり

佐野量子

 

当時は世の中の景気がよかった。80年代後半~90年代初期のドラマって「お金がなくて生活が苦しい」と言ったセリフはあまりない気がする。男女七人夏物語世代ですが、主人公の明石家さんまの住む清洲橋脇のマンション(今も現存)の部屋(セットだけど)もなかなか豪勢な内部だったし、このドラマでも桃井かおりはよくタクシーに乗ってる。すでに彼女は分譲マンションのローンは払い終わってるってところはさすがに銀行員で投資のやり手だと感じる。先見の明がある。高くても70年代なら都心に近い京王線沿線、駅近で2000万円くらいだろうか。89年頃にはすでにマンションも高騰、90年代初頭、下手すると50平米くらいの都内の物件で普通に一億超え、新宿西口の15平米という投資用ワンルームで1億!というのはよく覚えている。銀行はドンドンお金を貸し、その後の暴落で購入者の中には自〇者まで出した。千葉や埼玉、神奈川の駅からバスのファミリー向けマンションですら5000万円以上という金額でした。ただ駅からバスのマンション、今はなかなか売れないようですね。ゴルフ会員権購入ですら銀行はお金を貸しました。世の中狂ってました。

その後、失われた30年と言われ、まだ失われたままです・・せっかく余韻のある山田太一のこのドラマ・・・今を語ると暗くなるのでやめときます(;'∀')。

 

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