日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夢に見た日々 第6話 開店の日 1989年11月23日 テレビ朝日

演出 深町幸男 作 山田太一

出演 千葉真一 桃井かおり 佐野量子 坂上忍 三崎千恵子 中島唱子 なぎら健壱 結城美栄子

第5話↓

nihoneiga1920-1960.hatenablog.com

桃井かおり佐野量子

 

紆余曲折、色々あったが、やっと開店の日を迎えた。テラスの工事変更で追加となった代金27万円は多恵子が出した。

おばちゃん、川口松江(三崎千恵子)とバイト早川(坂上忍)は前夜、浅草駅地下鉄出入り口で宣伝のビラ配りに励んだ。

初めての客は、慎作が助けた川へ飛び込んだ娘、大沢由里(幸亜矢子)だった。2番目の客は岩手から出稼ぎで来て近くで堤防工事に従事しているという男(すまけい)で、松江からビラを渡された時、彼が惚れた岩手の未亡人にそっくりだと照れながら言う。

三崎千恵子・すまけい

 

それからランチ客が入り、店はそこそこ繁盛した。お客もいなくなった午後3時頃、ひとりの中年女性が店を訪れる。彼女はテラス席に座り、接客した正美(中島唱子)に

土屋(桃井かおり)と米村(佐野量子)という人を呼んで欲しいと言う。

名指しで呼ばれたふたりはその女性に心当たりはないのでなんだろう?と席へ行くと、

座ってくれと言われ、おずおずと腰を下ろす。慎作は慌てて自分の部屋へ逃げ込もうとするが、気を取り直してその女のいるテラスへ。

結城美栄子

なんと女は慎作の別れた妻で、ニューヨーク在住だが、店のオーナーから慎作が新たな店を開店させたときいて、日本へやってきた。最初はお祝いの一言でもいおうと思っていたが、工務店の瀬川(谷村昌彦)からお金を出したのは2人の女性だと訊いて気が変わり、注意しに来たというのだ。そこへ慎作が来る。「何しに来た?もう関係ないだろう」という慎作に、「彼は嘘つきでずるい人だ。いつも他人をあてにして私は何度も騙された、貴方たちも早く資金を引き揚げたほうがよい」等々言い始める。

多恵子はいたたまれなくなり、そのまま店を後にする。追いかけて来た洋子に「彼は私と付き合ってくれと言ったのに、実は元妻と裏でつながっていたのだ。でなければ彼女がわざわざニューヨークから日本に来るわけがない。彼女ももし慎作の店がうまくいけばヨリを戻すつもりだったのだ!慎作は酷い男だ」と言う。洋子も慎作が金は返すし、自分を信じてくれというが、信じられなくなっていた。

 

従業員たちは下でのイザコザをきいて意気消沈。慎作は彼らにも信じてもらいたいと頭を下げるが、大学生の早川は「野球で一流になるのは大変だろ?だからもっと歯ごたえのある男かと思っていたが、俺の親父と同じだ。がっかりした」と言う。

千葉真一坂上忍

 

慎作は従業員を全て上へ待機させ、ひとり下のテラスにいた。

日が暮れて、ディナータイムとなった。多恵子は帰ってしまい、店に戻った洋子だが客が来ない。やはりまわりが川と暗い公園で駐車場もない立地だと夜の商売は無理なのだろうか?と思う。そして、みんな元の奥さんが言ったことを聞いて慎作に少し幻滅しているようだった。

 

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