日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

麗しき歳月  1955年 松竹

監督 小林正樹 脚本 松山善三 

出演 久我美子 佐田啓二 木村功 田村秋子 野添ひとみ 小沢栄 小林トシ子

   東野英治郎 沢村貞子 山縣勲 織本順吉 佐竹明夫 須賀不二男

 

桜子(久我美子)は戦争で父母、兄を亡くし、祖母の田村秋子と千草という生花店を営んでいる。

兄の親友であった佐多啓二、木村功織本順吉は戦後、佐多啓二はナイトクラブでドラムを叩き、木村功は医者になったが正義感からか転職を繰り返す。織本順吉は工場で働いている。

 

冒頭、祖母の田村秋子が自動車にひかれて(何このいつもパターン 笑)、運転手付きのその車から経営していた会社を息子にまかせ引退している紳士、小沢栄が降りてくる。病院に行こうという小沢の申し出を大丈夫だからという田村だが、木村功のいる病院ならしばらく行ってないし、(自分が紹介した?)そこなら行っても良いと言って車にのせてもらう。

病院につくと、木村功は院長(山縣勲)に呼ばれ、お金のない人達を勝手に入院の手続きをしてもらっては困る・・・と説教されている。

木村は憮然として出ていくと、玄関で田村とばったり出会い、病院を辞めたことを知られる。

 

お金持ちの紳士を演じた小沢栄、この映画では終始物静かで優しい老紳士の役で、それまで私がみて来た映画ではこんな小沢は初めてでした(笑。

 

ドラマ―の佐多は、そこに勤める戦争未亡人で(多分戦死した夫は友達)結核を疑われる義母?と暮らしている小林トシ子に医者の木村功を紹介したりするが、友人の前ではアプレ?に振る舞い素直になれない。

工場で働く織本は湾岸近く?のアバラヤに住んでいる。電話や木村功の妹の野添ひとみが伝言に工場へ行ったりすると上司の須賀不二男に嫌みを言われたりする。苦労しているようだ。

 

千草生花店久我美子を見て気に入った小沢栄は自分の次男、佐竹明夫の嫁にどうかと思う。まずは祖母の田村に聞いてみると田村も乗り気だが、「今の若い人は親が決めたなんて知れるとかえって頑なになるから自然に話を持って行きましょう」と言われ、

花束を頼み、久我に会社へもってきてもらい、その時に次男を連れて一緒に昼食を食べる。

 

久我が帰って田村に「お腹がすいていたからパクパク食べちゃった」というところが微笑ましい。

 

木村功は父である東野英治郎に実は秋田の病院?で働きたいというと東野も賛成する。

東野は物分かりのいい父親(やはり医者?研究者?)を演じ、息子の行く末を心配する母親は沢村貞子

 

桜子は木村功と結婚するつもりでいたが、木村が秋田行きを話し、君もよく考えてくれといって桜子はショックをうける。

「どうして一緒に来てくれとおっしゃってくれないの?」のセリフが上品(笑。

 

小沢の次男とはドライブに行ったりするが、それ以上でも以下でもない。

 

木村のことで泣いて帰ると家(多摩川園と言っていた)で田村がごはんを食べずに待っている。

やはり木村が好きなのだ。諦められないのだと知った田村は桜子が木村を好きなら秋田に行きなさいと勇気づける。

 

小沢と公園のベンチで語り合う田村。

小沢も次男にとってもよい経験になった・・・と笑う。

秋田へ出発の日。上野駅で母の沢村貞子、妹の野添と別れを惜しんでいる木村の元へ

織本が駆け付ける。

あれ?久我美子は??と思ったら、汽車が発車したその社内にふろしきを持った久我がいる。

微笑む木村。

 

上野の陸橋からその汽車を見送る佐多と小林トシ子。

 

そこで終わる。

 

松山善三の脚本なので安心?してみれた一方、進み方が遅くて、

途中で少し寝てしまっても(笑、まだ久我と木村がグチャグチャやってるところで

話がわからなくなったことはなかった((-_-;)

 

中弛み?な感じでした。

 

DVDのジャケットが久我美子佐田啓二が花屋で唄っている?ような写真だったので

「この広い空のした」のような久我と佐田の恋?物語かと思ってましたが、木村功が恋人だった・・(笑。