日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

不壊の白珠   1929年 松竹

監督 清水宏 脚本 村上徳三郎 原作 菊池寛

出演 八雲恵美子 及川道子 高田稔 伊達里子 鈴木歌子 高尾光子

 

wikiで子役の高尾光子が出演したことを知って写真でしかみたことがなかった私、動く高尾光子をみてなぜか感激した。

八雲が勤める会社の専務の長女役だというから八雲が軽井沢にいる専務一家の許へ行った時にいた3人の子供のうち大きいほうの女の子だ。

そこには専務の姪?が2人いて、ひとりは伊達里子。いじわるな役が似合っていた。

 

同じ会社の高田稔に思いを寄せる姉の八雲だが、自由奔放な妹、モガの及川道子と結婚する高田や妹に対する怒りとか嫉妬とか、諦めとかが渦巻く物語。

 

妹と高田の結婚式のあと、車で送ってもらった専務の車のなかで言い寄られる八雲は激しく抵抗する。運転手がクラクションを鳴らすとあっさり諦め、謝る専務(笑。

普通ならパワハラ、セクハラを受け入れることになるのが専務のあっさりさにビックリ(笑。

 

その後、専務から求婚されるが高田を忘れられない八雲・・・。しかし、どんどん専務のほうへ気持ちが傾き、ある日専務が家族と過ごしている軽井沢へ行く。

出て来た女中には「あんた誰?」的な顔をされ、廊下で待つように案内され、専務の息子には「新しく来た女中かと思った。だって廊下にいたんだもん。」と言われる。

洋装の伊達里子には「タイピスト」をしている八雲を暗にバカにするような質問をされる。怒った顔の八雲が怖い(笑。

 

妹と高田の結婚生活は妹が家出して、妻子持ちの元?愛人の男と遊び歩く妹を八雲が連れ戻したりするが・・・。

 

わざとなかのかよくわからないが、映像がやたらとオレンジ色っぽかり、赤かったり、青かったりする。

字幕もところどころ薄かったり、暗かったりで読めなくて苦労しました(笑。

 

及川道子の妹は当時のモダンガールファッションでそれがよく似合っていたし、それと対比するような姉、八雲の和服や姿かたちは美しかった。

ただ、イライラするのが、うつむいて自分の意見を言わないところ(笑。

この映画に限らず、うつむいてなにも言わないのは大和撫子のしぐさらしいから昔の映画ではよくみるしぐさだ。入江たか子なんかもよくやってた(笑。

 

高田稔はハンサムの白塗りだが、当時のフィルムは役者の顔をかなり白く塗らないと

輪郭がぼやけてしまうらしい。

 

及川の昔の?愛人のチャップリンみたいなちょび髭男は新婚旅行先まで付け回すわりには八雲の会社の専務同様、案外あっさり去っていってしまう。

ストーカーに見習わせたい(笑。

八雲、及川の母役の鈴木歌子という人は他の映画で何度かみたことがある。