日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

闘牛に賭ける男  1960年 日活

監督 舛田利雄 脚本 山田信夫舛田利雄

出演 石原裕次郎 北原三枝 二谷英明 高原駿雄 三津田健 安部徹

   芦田伸介

 

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北原三枝石原裕次郎と結婚したのでこの映画が最後の出演作だという。

 

二谷英明と結婚するはずの北原三枝が現れた石原裕次郎二谷英明との間で揺れ動く女性を演じる。

 

実は、太平洋テレビの清水昭氏のことを調べていてこの映画を知った。

石原裕次郎主演作のモデルとなった・・・という記述があったが作品名がわからなかった。

昨夜、ある雑誌で判明。それがこの「闘牛に賭ける男」だったが、清水昭氏をモデルとあったのでなんで闘牛?と思ったけれど、清水氏がモデルの場面は新聞社を辞めた裕次郎アメリカのフィルムを扱う総代理店となり、また字幕だったのを日本語吹き替えにし、業績が好調になるとテレビ映画を作る・・・というところだけだ。

昭和35年の映画だからまだ脱税容疑で逮捕されておらず、風雲児としてもてはやされていた時代の清水氏だ。

映画では大資本に「世界テレビ(会社名)」は邪魔をされ会社はつぶされてしまう。

 

清水氏は1975年に「プロデューサーの水の江滝子に、その結末に文句をいったが、水の江が裕次郎だから観客は彼をみじめだとは思わない、だからこれでやらせてくださいと言われ、その通りにした。今思えば、まるでその後の自分のようだ」と述べている。

 

清水氏をモデルにしたところはそこの話だけで、あとは裕次郎北原三枝ラブロマンスだ。

 

裕次郎は今度は「闘牛」を日本に呼ぼうと奮闘する。契約はうまくいく。北原三枝アメリカへ旅立つが、将来は裕次郎と結ばれるだろう・・・そんなことを予感させる物語。

 

でも・・・おもしろくなかった(笑。

 

やたらと鮮血が多い。

まず、二谷英明が飲んでいたお酒のグラスを手で割ってその手から出血。

その後、裕次郎が喀血、それも2度(笑、さらに 割れたグラスで手を切り出血(笑。

闘牛では本場の闘牛ロケで、牛の背中から流血すごい。

闘牛の場面ってよーく見たのは初めてだったけれど、牛を殺しちゃうんだねぇホントに。とどめは牛の頭頂部をねらって一刺し・・・死んだ牛を馬でひきずっていく・・・。これ・・動物虐待?じゃないの??

 

清水昭をモデルにした裕次郎の主演映画・・・ってほどでもなかったけれど、

清水氏、あの一件がなかったら(逮捕)、全部清水氏モデルの物語ができていたかもしれない。