日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

生まれてはみたけれど   1932年 松竹蒲田

監督 小津安二郎 脚本 伏見晃 原作 ゼェームス・槇

出演 斎藤達雄 吉川満子 菅原秀雄 突貫小僧 加藤清一 坂本武

   笠智衆

 

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そもそもこの映画も活弁がないと細かい部分がわからないだろう・・(笑。

 

偉いと思っていた自分の父、斎藤達雄が会社の重役にみせる態度が違うので息子たちは父に抗議するが・・・

子供の世界では金持ちとか会社の重役の子供だからリーダーになれるわけではなく、それこそ実力(腕力?笑 )なのだが、大人の世界では違うのだと言う物語。

 

斎藤達雄は大学をでて下宿生活から結婚し、今は課長となって郊外に家をもった男。

近くには会社の重役、坂本武一家が住んでおり、引っ越しの日、彼は挨拶にいく。

 

妻は吉川満子で長男、菅原秀雄、次男 突貫小僧、そして飼い犬のエルがいる。

新しい学校には悪ガキがいてしばらく二人は学校へ行くふりをして野原で弁当を食べたりするが、出入りの酒屋の小僧に頼んで悪ガキリーダーを懲らしめてもらうとみんな自分たちの子分になった。

その中には父の会社の重役の息子もいるが、ある日、遊んでいると父が通りがかり、

その子を「坊ちゃん」と呼び、彼と変な遊びをするのではないと叱る。

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重役の息子をかばう斎藤達雄

 

重役の家では活動写真の上映会があり、子供達が集まる。父、斎藤達雄も来て活動をみるとそこには会社で笑いをとる卑屈な父の姿が・・・ショックを受けた二人は早々に引き上げ、後から帰ってきた父に詰め寄るのだが、父は「月給をもらっているからお前体もごはんが食べられるのだ」と言われ殴られる。

兄弟はそれならハンストしようと翌朝の朝ごはんを食べないでいるのだが、父とはなんとなく(この斎藤達雄の間合いがうまい)仲直りして三人でいつもの踏切まで行く。

右は学校、左は踏切を渡って駅なのだ。ちょうど踏切待ちしていた重役の車が停まっている。父は普段と違って重役へ挨拶に行かない。兄弟は重役に挨拶しなよというと、父は躊躇しながらも重役の元へ行き、ペコペコしながらその車で会社へ。

それを見送る兄弟と重役の息子は仲良く学校へ歩いて行く。

そこには3人は平等であると言わんばかりに一緒に並んで歩いて行くのだ。

 

斎藤達雄は課長さんで、まぁ普通以上の家庭だと思うけれど、その息子の弟役、突貫小僧はどうみても貧乏人の子にしか見えず、兄役の菅原秀雄は頭がよさそうなハンサムな子供とあまりにも違っていて(見た目が)なんだかねぇ・・・と思った(笑。

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左 兄(菅原秀雄)と右 弟(突貫小僧)だが・・・顔に注目 生活感が違い過ぎる

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野っ原感が半端ない(笑)引っ越し先の悪ガキ 近づく子供の右は重役の息子


この頃の斎藤達雄、ハンサムだから好きだなぁ(笑。

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この電車は池上線だそうだ。昭和6,7年頃

 

 クレジットはないが、斎藤達雄の部下で引っ越しを手伝ったり、活動写真を写す操作をする社員に若き日の笠智衆がいる。

 

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