日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

可愛い花  1959年 日活

監督 井田探 脚本 高橋二三

出演 ザ・ピーナッツ 岡田真澄 白木マリ 平尾昌晃 相馬千恵子

   松下達夫 藤村有弘 堀恭子

 

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50分にも満たない映画だけれど、ただの歌謡映画だと思うと大間違い♪

ピーナッツが双子であることを大いに利用してうまく話が作ってある。

結構楽しめた♪♪ 「二人の銀座」よりスジは絶対おもしろい。意外に無名?なのはなぜ?(笑。

 

岡田真澄はレコード会社に勤めるディレクターだが、株が趣味。ある日、訪ねてきた大学?の後輩、平尾昌晃が歌手になりたいと来たのだが、歌もよく聞かず追い返す。

ところが別のレコード会社からデビューした平尾は有名歌手になり、岡田の会社の社長からヒットを飛ばせる歌手を発掘してこいと言われてしまう。

 

岡田の妻 白木マリは探偵会社を経営し、岡田より稼いでいて彼女は自分のアシスタントとして働いてほしい、安月給でこき使われている岡田が可愛そうだとレコード会社をクビになるように画策を巡らす・・・。

 

ピーナッツの一人ユミちゃんは化粧品会社を経営する女社長、相馬千恵子の娘で、将来歌手になりたいと思っているが母の反対にあい、家出してしまう。そこで頼んだ興信所が白木マリの登場となる。

 

一方のエミちゃんも歌手になりたい。彼女の父 松下達夫は戦前に売れた歌手だったが今はピアノの伴奏で食いつないでいる。娘の願いを叶えようと父親と一緒に岡田のいるレコード会社で歌を聞いてもらうが、岡田はインパクトが足りない・・と断られてしまう。

そこへ、ユミちゃんが現れ、歌を聞いて欲しい・・と岡田に頼むのだが、双子なので岡田は先ほど歌を聞いたエミちゃんかと思いひと騒動。

 

初めてお互いが双子だとわかった二人は、一計を案じ、ユミちゃんはエミちゃんの家へ、エミちゃんはユミちゃんの家へ洋服を交換して行くことにする。

父は母のことを悪く言い、母は父のことを悪く言う・・・我慢ならなくなってお互い入れ替わったことを白状するが・・・なんとそれがきっかけとなって父と母は仲直り。

 

しかし歌手になりたいという娘二人を諦めさせようと、岡田に頼んで二人の歌をまた聞いてもらい断って欲しいと頼む。岡田はお安い御用だと二人の歌を聞くと・・・・

あまりの素晴らしさにいつも聞いている株式情報のラジオもそっちのけで聞き入ってしまう。会社の重役連も集まって二人は歌手に・・なる・・ことになるのだが、その情報を知った平尾のいるライバルレコード会社は平尾にコミッション500万円を支払ってなんとか自分のレコード会社と契約させようとする。

 

平尾は、契約書をもって岡田のいるレコード会社の社員を装い契約書に父親のサインをもらって帰り、いざ契約という段になって父親がまた契約書ですか?という一言でライバル会社と契約してしまったことがわかる。

 

結局岡田はクビになり、自分の思い通りになった白木マリは大喜び。喫茶店で平尾と共に岡田に会うが、平尾がこれは先輩のお金ですと差し出した500万円を元手に株に投資するとお金がどんどん増えていく!

 

ザ・ピーナッツと名付けられてコンサートを行う会場に車で来た白木マリ。そこへ今まで車も持っていなかった岡田がアメリカ車で現れる。

 

会場内でピーナッツが歌を歌い、仲たがいしていた白木マリと岡田真澄は握手してハッピーエンド♪

 

色々な場面でちょっとしたギャグあり。

カメラワークも考えられていて、例えば平尾昌晃が岡田のレコード会社にいて

セリフを言って振り返った瞬間、そこはライバルレコード会社になったりする。

しかも話の筋は通っている。

 

なにか妻のトリセツ、夫のトリセツ みたいな話で 白木マリと相馬千恵子は稼いでおり、夫を心配している・・意見が一致して握手。夫の岡田真澄と松下達夫はそんな妻はうるさいばかりだとやはり意見が一致して握手・・・

 

ピーナッツのセリフの棒読み感は否めないがあまりセリフもないから許そう(笑。

 

相馬千恵子・・・私が初めて見たのは浅草四人姉妹だったかな。随分背の高い女優さんだけれどwikiだと1922年生まれ・・まだ生きているようだが1962年日活のひとつのいのちという映画以降は載っていなかった。

 

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女社長 相馬千恵子 なかなかグッド