日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

月蝕   1956年 日活

監督 井上梅次 脚本 井上梅次 舛田利雄 原作 石原慎太郎

出演 月丘夢路 三橋達也 安部徹 金子信雄 石原裕次郎 岡田真澄 高野由美

   西村晃 藤代鮎子

 

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月丘夢路のモテっぷりが凄い(笑。その後、夫となる井上梅次監督作品。脚本も書いている。プロデューサーが水の江滝子だし、原作が石原慎太郎だから石原裕次郎も出演。

 

幼い頃の経験が同じふたり・・・月丘夢路は連れ子だったが母が他の男を作り、三橋も母親が男と家を出て行った過去をもつ。月丘の義父の勧めで義父の甥と結婚するはずがデザイナー、高野由美の画策で甥は別の女性と結ばれ、さらに義父にも犯されてしまう。クラブ歌手?となり(この辺があいまい)自堕落な生活を送る彼女を冷めた目でみているそのクラブのバンドマスター三橋達也

 

月丘と遊ぶ若いボクサーが石原裕次郎。そして同じクラブのフィリピンバンドのバンドマスターでフィリピン人の岡田真澄は月丘をフィリピンへ連れていき結婚したいという。

 

三橋の大学?の同級生で今はしがない新聞社を経営している金子信雄は繊維業界に精通しており、高野由美と月丘の義父の会社との犯罪的な取引を嗅ぎつけるが、お金をもらって記事にしていない。月丘は復讐に燃えていた。まず、高野を業界から抹殺するために金子信雄に近づいて自分の肉体と交換で記事を書かせるのだ。結果、高野は失脚。

しかし、月丘の心は満たされない。

石原裕次郎のボクサーのスポンサー、安部徹に月丘は義父の会社の手形を不渡りにしてもらうように要請し、そのかわりにやはり自分の肉体を提供するのだ。

 

一方三橋には情婦、藤代鮎子がいるが、彼女は三橋の冷たさに耐えきれず自殺。

ただこの女優さん、訛りはあるしイマイチ。前に吉行和子が日活では女優、俳優が不足していた・・・と言っているのでそのせいかもしれない。

藤代鮎子という人は1948年に大映京都で映画出演していてその後1955年には多分日活に移籍し、1957年までは日活の映画に出演していたがその後不明。

 

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三橋達也と藤代鮎子

 

ボクサーの裕次郎は安部徹に月丘と会うことを禁じられ、やけになって試合に臨む。

そこで相手から今でいうぼこぼこにされ(笑、死亡!!

 

三橋と月丘はお互いの境遇が似ていることから・・・なんと結婚(え?)

二人きりの部屋で月丘はみんなに祝福されて結婚したいからとその夜は何もなく別れる。そして次の夜、月丘は安部徹に義父の会社を助けて欲しいと言い、三橋との結婚を告げる。三橋は金子信雄に報告。ここで話が出来過ぎなのは安部も金子もすんなり納得。そうこうしているうちにフィリピンから岡田真澄が帰ってきた。

月丘は自分で話をつけるといい岡田と話すが、なんと岡田、ピストルで月丘を殺害!

しちゃう。

まぁ三橋達也と結ばれるのだろうなぁ・・という感じはしたけどなぜ結婚?(笑。

 

というような話。

印象的だったのは月丘夢路の足のアップ。さすがに井上梅次?!

 

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そして月丘夢路のタバコを吸うポーズがなかなか。この映画、みんながやたらとタバコを吸うんだよね。

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月丘夢路