日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

晩菊  1954年 東宝

監督 成瀬巳喜男 脚本 田中澄江 井手俊郎 原作 林芙美子

出演 杉村春子 細川ちかこ 望月優子 沢村貞子 上原謙 見明凡太郎 加藤大

   小泉博 坪内美子 有馬稲子 出雲八重子 沢村宗之助

 

今回購入したDVDではピカイチ。前にプライムビデオで数百円払ってみてからDVDが欲しかったがやっと発売されうれしい限りです。

 

杉村春子は元芸者で、今はオシ(これは差別用語か?)の女中と二人で菊坂下に住んでいる。今でいう不動産投資で小金をもち、知り合いの細川ちかこや沢村貞子に金も貸している。

 

細川は一人息子 小泉博だけが生きがいの未亡人。夫に死なれてからは連れ込み旅館の女中をしているが生活は苦しい。その貸家の二階に住んでいるのは望月優子で、杉村春子の姉さん格だったが今は病院?の掃除婦をしている。飲んだくれで金も入ると使ってしまう、だらしがない女だが、一人娘の有馬稲子は中年男性とさっさと結婚するために家をでていく。

 

沢村貞子は年下のだんな、沢村宗之助と小さな飲み屋をやっている。金を借りている杉村春子からは金が返せないと裏口から逃げたりする。彼女は子供が欲しいと願っているが杉村春子から言わせると子供なんかよりお金が大事だと言われる。

 

一番のみどころで思わずうなっちゃうのは、芸者の時に相思相愛だった上原謙から会いたいと手紙をもらい、いそいそと風呂屋へ行く。

上原が来て待っていると、鏡の前でおめかしをするウキウキ感、そして二人でさしつさされつしている時に上原が杉村の手を握る・・・・この場面がなんとも最高♪♪

 

前に上原謙の息子の若大将が、親父は大根役者だと言っていた記事?かなんかを読んだことがあるが、私から言わせれば大根なのは若大将だと思うんだけど(笑。

 

このシーンの上原謙は最高♪ 上原謙のような男前にあんな風に手を握られ見つめられたら私ならお金貸しちゃうんだけど。

で、杉村春子は上原の目的がお金だとわかると・・ケンもホロロになっちゃうところはさすがに林芙美子原作(笑。

 

「夜の流れ」「青べか物語」でがっかり度凄かったけれどこのDVDでなんとか元が取れた気がします。

 

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アマゾンより