日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

山男の歌  1962年 大映

監督 村山三男 脚本 千葉茂樹 勝目貴久

出演 藤巻潤 三条江梨子 小林勝彦 近藤美恵子 見明凡太郎

   ダークダックス

 

www.kadokawa-pictures.jp

 

今月は衛星劇場で古い邦画がたくさん放映されて喜ばしい限りです。

 

藤巻潤は大学の山岳部に所属する活発で誠実な大学4年生。彼はビヤホールでアルバイトする苦学生でもあるが同じ山岳部の親友で会社社長の息子、小林勝彦の家によく勉強へ行く。小林勝彦には心に決めた女性で同じ大学の三条江梨子がおり、部員も皆、彼と彼女は恋人同士だと思っている。三条江梨子は今でいうルームシェアしながら歌声喫茶?のようなところでピアノ弾きのアルバイト。

この場面でダークダックスが「娘さん~よく聞けよ♪」などの歌を披露。

この映画やたらとみんなで合唱するのが時代を感じさせる。

 

小林が自分の誕生会に三条を誘うが、彼女は良い返事をしない。それを藤巻に相談すると藤巻は引き受け、彼女を誕生会へ来させることに成功。

小林は彼女をそれとなく家族に紹介し、両親や姉も三条を気に入り歓迎するのだ。

誕生会が終わり、三条をおくると家をでた小林は三条にプロポーズするが、どうもはっきりしない。問い詰めると藤巻が好きだと言われショックを受ける。

 

無口になった小林を姉の近藤美恵子が心配し、藤巻に相談する。小林は藤巻に山へ行きたいと言い、藤巻も快諾する。二人で剣岳へ向かい、明日は登頂という夜、小林は自分が失恋したことを藤巻に言うが、彼女が藤巻を愛しているということは黙っている。

ただ、藤巻に言うことですっかり元気になった小林。

翌朝、剣岳へアタック開始。小林が藤巻にザイルを預け登っていく。するとザイルがあと30メートル必要だと言われ、疑問に感じながらも藤巻は30メートルのザイルを結ぼうとしたところになんと小林が滑落してしまう!

 

藤巻潤がモテモテの大学生で山の青春ものと思っていたが結構サスペンスタッチで後半から以外に面白くなった。

 

藤巻も皆に頼られ、三条が自分を好きだなどとは全く思っていない・・・という演技、演出も自然だった。

山登りは経験もないが剣岳って登るのたいへんだったのね・・・いや今も大変だけど。

 

この頃藤巻潤はやたらと大学生役で出てくる記憶がある。一番の記憶はやはり若尾文子の「女は二度生まれる」で靖国神社近辺ですれ違う学生。

私の藤巻潤記憶の始まりはやはり「ザ・ガードマン」から。今でいう筋肉質系の人というイメージだ。

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衛星劇場より