日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

下町の太陽  1963年 松竹

監督 山田洋二 脚本 山田洋二 不破三雄 熊谷勲

出演 倍賞千恵子 勝呂誉 早川保 石川進 葵京子 藤原釜足 武智豊子 菅井きん

   左卜全 柳沢譲二 穂積信隆 東野英治郎 加藤嘉 山本幸栄 青山ミチ

   待田京介 

 

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衛星劇場より

衛星劇場で録画。前にアマゾンでも見たのでここでも記事にした記憶がある。

 

評判が高いが、私はこの映画はなんだかイライラする(笑。

なぜなら、倍賞千恵子が貧乏はイヤだのなんだと言ってるわりには正社員となり本社勤務が決まった恋人、早川保をあっさりふって、やたらと厚かまし勝呂誉と付き合っちゃうかもしれない・・・ことを予感させる終わり方だから。

 

早川保は一生懸命勉強し、採用試験を受けるが、50人にひとりしか受からない試験で

頭も要領もよい金子(待田京介)が採用されいじけてしまう。

 

ところが、金子が交通事故を起こしてしまい、早川が採用されることとなる。それまでとは打って変わって明るくなった彼は倍賞に結婚を申し込む。彼女はそれまでは早川と一緒になりつつましくも幸せな生活を営みたいと思っていたが、鉄工所で働く勝呂誉と知り合ったことで早川と自分の相違点に気づいていく・・・のはわかったが、早川は「陽の当たる窓辺で妻が編み物したりして君に幸せな結婚生活をおくらせることができる」みたいなことを言うんだけど倍賞は納得しない。彼女は自分のいる場所、下町(と言っているが厳密にはあそこは下町ではないと思うよ)が自分の居場所だというのだよ君(笑。

 

当時、女性は結婚するまで働いて結婚後はおとなしく家庭に納まるのが普通だったので確かに社会に一石を投じた物語だけれど私なら絶対早川保を夫にする。

主婦最高!(と今は大きな声では言えないが、仕方なく共働きを続けている人だってたくさんいると思うよ)

 

それに倍賞は、人が不幸になってもそれは仕方がないという早川にも文句があるらしいが(同僚が事故をおこしたことで早川が正社員になれた)それなら強引にデートに誘ったり、最後は電車の中で恋人がいようがいまいが関係ないと言って倍賞にまたアタックする勝呂誉の行動はどうなのよ?って思う。

 

山田洋二は東大出のエリートなんだけど、この人やたらと労働者賛歌みたいな映画作る。っていうか好きなんだろうね、貧乏暮らしとか肉体労働者とか。演出が過剰なのが好きじゃないな。特に大笑いする時とか泣く時とか。

 

この映画での救いは倍賞のおばあちゃん役の武智豊子。彼女はいいなぁ。好きだ。

東野英治郎は子供?孫?を交通事故で亡くしてから頭がいかれてしまい、いつもその子を探しているという役だ。でもこれなにか別な映画でも似たような設定があった気がする。

 

勝呂誉と同じ工場で働く石川進は子どもの頃よくみた顔。調べたらもう亡くなっていた。ど根性ガエルの歌もこの人だったんだね♪

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私の記憶の石川進

勝呂誉も随分みてないけれど、大空真弓と結婚したことがあったのか。

 

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下町の太陽