日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

窓から飛び出せ  1950年 新東宝 

監督 島耕二 脚本 山崎謙太 島耕二 原作 大日方傳

出演 大日方傳 轟夕起子 小林桂樹 香川京子 汐見洋 岡村文子

   大日方荒弼  大日方駿介 大日方百合子 大日方桃子

 

なんと大日方傳の実の子供4人が出演。うち3人は役でも大日方の子供、そして一番ハンサム?な隣の男の子は彼の次男。さらにセットを嫌った大日方が当時玉川学園にあった自宅をつかって撮影したという。これは隣の家のお屋敷じゃないかと思う。役では農場を経営して丘の上にある家に住んでいるけれどその中はセットのようだから外観はどうみても別宅みたいな感じ。

数か月前にも放映されたがその時は最初の少しをみて面白くなさそうで(子供向け)見るのをやめたけれど、なかなか良かった。子供も大人も楽しめる。

 

畑を耕し、ニワトリやヤギ、ウサギを飼って収入を得いている大日方一家。妻の轟夕起子、父の汐見洋、弟で大学生?の小林桂樹、そして息子2人と娘2人と仲良く暮らしている。

 

隣のお屋敷に住む未亡人、岡本文子は手かざしをする宗教に凝っている。自分の息子がけがをして足がなかなか治らないので手かざしにも熱が入るが肝心の息子は信じておらず、空気銃で隣のおじいさん、汐見洋が木にかけた小鳥の小屋を撃ったりしてうさを晴らしている。おじいさんが小鳥をいじめるのはよしてほしいと言われても意に返さない。そんな弟に頭が痛いのは姉の香川京子。この役は久我美子だったらしいが出演できなくなって代役で香川京子が出演し、彼女のデビュー作ってあるけどそうだったっけ?

 

香川姉弟の父は船乗りだったが亡くなってしまい、今は船の模型が父の代わりとなり息子はその船を大事にしている。

 

大日方、岡村両家の出来事がつづられている。面白いのは「不幸の手紙」。

岡村文子が不幸の手紙を受け取り、それを絶好すると言った隣家の汐見洋に送る。

汐見はその文面を読んで怒り心頭。そんなのは迷信でそれこそ切手代、時間の無駄だと岡村にいう。あんな昔からそんな手紙ってあったんだね(笑。私が小学生のときもあった。

岡村文子は暮らすお金を何とかしようと実弟のいうままなにかに投資している。まだ投資が必要だとかなんとかでいつもお金を取られている。息子が大切にしている船の模型まで売ってしまうと息子は小鳥をたくさん採って籠にいれるようになる。それをみた汐見洋が小鳥は森にいて害虫を捕まえて木を守ってくれるから採らないでくれというが、その子は害虫なら自分が取る。と言い返す。しかし汐見は高いところの害虫は小鳥のほうが取るのがうまいのだなんてことを言う(うまい!と思った)

農林省だかの協賛でところどころ教育されちゃう(笑。

また岡村文子がはまっている宗教についても泥棒に説教される場面がある。

岡村邸に泥棒に入った男はその手かざしにはまってしまってお金が無くなったと言ったりする(笑。

 

玉川学園の礼拝堂がでてくるがこれは当時と今と同じ建物(外見は少し変わった)だと玉川学園のサイトで紹介されている。この映画に登場したことも書いてあった。

 

f:id:nihoneiga1920-1960:20220303161849j:plain

スカパーより