日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

真っ赤な恋の物語  1963年 松竹

監督 井上梅次 脚本 白坂依志夫 井上梅次

出演 岡田茉莉子 吉田輝雄 根上淳 榊ひろみ 大木実 安部徹 藤木孝

 

スカパーより

 

日活と新東宝映画のいいとこどりをしつつ松竹なんで女優さんメインのメロドラマな

映画だったけど、変!変!(笑。

 

まず出演者が吉田輝雄・・・岡田茉莉子の相手役なんだけど、刑事役の彼が麻薬密売組織を探るため、横浜に赴任してくるところから始まる。

駅で男ふたりに拉致されるように連れてこられた一室・・・そこには安部徹がいる。

なんと安部徹、ここでは警部で、男たちも刑事だった。

というオープニングで見るのをやめた・・・(で、昨日記事を書いた「闇を裂く口笛」を見た)

 

立野三郎(吉田輝雄)がピアノが上手だということで組織が経営しているクラブに

ピアノ弾きとして潜入することになる。同じくそのクラブへ中華そばの出前持ちに扮した刑事も潜入し、三郎がつかんだ情報を受け取るのだった。

 

クラブの歌手のマキ(岡田茉莉子)は自由奔放な女で男たちに囲まれ過ごしているが

ボスがいない間にクラブを任されている組織の鬼頭(根上淳)の愛人であり、鬼頭はマキの浮気にいつもイラつき、嫉妬する。

いつものように男と遊んでクラブへ現れたマキは、ピアノ弾きとして入った三郎を一目で気に入り彼に赤いバラを投げるのだ。

マキは気に入った男には赤いバラを差し出すという。

 

クラブには花売りをしている恵子という娘がいて偶然にも三郎が住まいとして警察から借りてもらった同じアパートに住んでいた。

同僚刑事が訪ねて来たのを恵子に見られた三郎だが、恵子は三郎がなにか犯罪でも犯したのかと気づかれずにすんだ。恵子の兄は組織に消されたらしく、その証拠をつかもうと恵子はそのクラブで働くようになったという。

 

ある晩、マキに誘われドライブに行く三郎。マキは強引に三郎と接吻を交わす。

しかし三郎はマキのような女より恵子のような女性が好きなのだ(ということが後に恵子との会話でわかる)

 

三郎の情報で組織の麻薬取引の現場に踏み込んだ警察だが、捕まらずに済んだ鬼頭はマキから三郎が怪しいとにらみ、三郎のロッカーを調べると三郎が刑事であることがわかる。仲間は誰だと拷問を加えるがそれでもはかない三郎に恵子がどうなるかわからないぞと脅しをかけ、とうとう中華そばの出前持ちが刑事であることを白状してしまう。

そしてその刑事は水死体であがった・・・。

 

そのことを知った三郎、鬼頭から仲間を売ったお前が警察に戻れるのか?本当のことを言えばいいさ・・・とさらに脅され、利用価値があると三郎を仲間に引き入れる。

三郎はもう警察には戻れない・・・と組織の一員としてある取引を行う。

 

そこへ片目と呼ばれるボス(大木実)が逃亡先の香港から戻りるが鬼頭は片目を殺して全て自分のものにしようとするが片目からまた裂きリンチで殺されてしまう。

このまた裂きリンチというのは鬼頭の両足を2台のボートでひいてドンドンスピードをあげ左右にボートがわかれる・・・という凄惨なもの。

 

片目からご苦労だったと渡された現金だが、三郎はこれからは五分五分の分け前が欲しいと言うと片目が激怒。そしてマキを独り占めしたい三郎はマキと共に逃げることにするのだが・・・

 

ところがマキはクラブへ歌いに来た歌手の赤木健二(藤木孝)に一目ぼれしてしまい・・・ってここで歌手の名前が赤木健二ってなにかの冗談か?と思った(笑。

 

井上梅次監督だから岡田茉莉子を魅力的に撮ろうとしている努力は認める。

岡田茉莉子も美しい・・・・

が、

これが松竹のメロドラマだと言われると何とも言えない(笑。

 

原作はカルメンからだというのはなんだか納得したけど。

 

衛星劇場より