日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

母ぁちゃん、海が知ってるよ 1961年 日活

監督 斎藤武市 脚本 中島丈博

出演 南田洋子 宇野重吉 太田博之 石井浩(子役)山田禅二 金子信雄

   高野由美 飯田蝶子 和泉雅子(新人)松尾嘉代 河上信夫 初井言栄

   東野英治郎 

 

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衛星劇場より

 

太田博之がひたすら可愛く、アイドルだったのもうなずける。

日活のいつものメンバー総出で、貧乏系、キューポラのある町のヒットで二匹目を狙っていた?

 

貧しい漁師の元に連れ子と共に嫁いだ康子(南田洋子)。そこには夫となる愛吉(宇野重吉)と中学生の息子の一男(太田博之)がいる。

一男は新しい母が来てうれしくて仕方がないが、康子の連れ子の信男(石井浩)は

愛吉をおじさんと呼んだりしてなかなか懐かず、初日早々に東京へ帰ろうと言い出す。

 

愛吉は一本釣りで沖へ出ようと知人の矢蔵(河上信夫)と共に借金をして船を買うが

底引き漁船に魚を根こそぎとられてしまい、生活は苦しいままだ。

康子はミシンを月賦で買って近所の人の洋服を作る。

一男は将来の学費にと金を貯め、豚を飼育したりするが、愛吉が借りたお金の利息のためにその豚を勝手に売り払う。

 

親孝行な一男だが、こればかりは自分のお金だと父に殴り掛かる。父も負けてはいない。この場面で泣けた(笑。お金のことで親子が喧嘩するほど悲しいことはないです。

 

一男を気に入っている仲買人?の島立(山田禅二)は一男に養子にこないかと誘っているが一男は貧乏でも父が好きなのだ。

新しく弟となった信男は体が弱く、転校先でもいじめられているが、そんないじめっ子を兄の一男はこらしめる。なんという弟思いな兄なのだ!

 

ある日、愛吉と矢蔵が漁にでたが、雲行きが怪しくなり引き返そうとするもエンジンがかからない・・・そして火災がおきる。漁師みんなで一晩探すがみつからなかったが、なんと二人は館山の病院にいると一報が入る。鴨川から館山まで流されたのだった。

 

ところが愛吉だけ火事の際のやけどが原因で死んでしまう・・・

 

元々康子と一男は血がつながっておらず、愛吉亡き後、島立に養子へ行くことになる。

康子もそのほうが良いと承諾し、一男と島立は旅立つが・・・

なんと!一男は戻ってくるのだ!

 

私なら商船大学も行かせてやるという島立の養子に喜んでなるけどね(超現実主義)。

まぁ、母子ものだからこの結末でハッピーエンド・・・

 

中学生の男の子がそんなに義母にすぐ懐くのは疑問で、とにかく良い子過ぎるが

太田博之なんで違和感なかった(笑。

 

和泉雅子東野英治郎の孫娘だが、お金のために東京へ行く。そんなことも知らずに

和泉雅子のために金を稼ごうとサンマ船に乗る浜田光夫

松尾嘉代は組合の理事(金子信雄)の娘でバスの車掌をしている。宇野重吉金子信雄の弟という役だが、本家と比べるとかなり貧乏。飯田蝶子は二人の母親だと思うけど

なんだかはっきりしない。