日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

雌花  1957年 日活

監督 阿部豊 脚本 舘岡謙之助 原作 大岡昇平

出演 大坂志郎 山根寿子 南田洋子 金子信雄 楠田薫 二本柳寛 佐野浅夫

   堀恭子 田中筆子 沢本忠雄

 

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日活より

現代なら小説にすらならない物語(笑。

みんながいい人なのか悪い人なのかわからない((;'∀')。

 

夫、陽造(金子信雄)は栄子(山根寿子)の父の会社の人間だったが、栄子と結婚したことにより、父亡き後、会社を継いで社長となった。しかし陽造は浮気者で栄子は我慢ならない。

気晴らしに行ったゴルフで知り合ったデザイナーの早川(大坂志郎)は栄子の行くブティックで栄子の洋服をデザインしていることを知る。早川に惹かれた栄子は自らアプローチし、大人の関係となる。

そして栄子は考えるのだ。夫と離婚したいと。

幸い、栄子には亡き父が残した会社の株券、田園調布の家屋敷などがある。

 

早川に相談して弁護士の望月(二本柳寛)を紹介してもらい、まずは夫に預けてある株券を渡してもらおうとするが・・・・。

 

夫はなんとしても離婚はしないといい、逆に早川との仲を疑いだす。

 

思い余って?かどうかわからないが、栄子は女中のお千代(堀恭子)を連れて家出。

って、自分の名義の家なんだから夫を追い出せ・・と思った(笑。

家出先が豪華なホテルだったりで呼び出された早川は呆れるが、栄子は手持ちの金がなくなったので指輪の2つを早川に売ってくれという。

 

買った宝石店では栄子に直接確認しないと引き取りはできないと言われ、早川は

別の店で50万円でひとつの指輪を売る。そのうちの10万円は望月弁護士から調査にお金がかかったと言われて払い、アパートへ帰ると車の月賦屋がどうしても溜まった27万円を払ってくれと粘られて栄子の指輪代から支払う・・・。

栄子たちは早川の叔父のいる漁村に避難させていて残りの金のうち、2万円を叔父に栄子の世話代だと渡した残りは栄子へ渡すが、つじつまを合わせるために2つの指輪は質入れして20万円にしかならなかったというのだ。

質入れしたなら後で取り返せると納得した英子は何も言わず、当分やっていけると安心するが、もう一つの指輪は早川が好きなデザインを勉強している里子(南田洋子)にプレゼントしている。

里子には年の離れた学生の弟、武雄(沢本忠雄 新人 とある)がおり、武雄は早川がなんとなく好きになれない。

 

一方、栄子の夫、陽造は探偵?の尾形(佐野浅夫)に栄子の居場所を探らせ、家に連れて帰ることに成功するが、望月弁護士から株券を栄子へ帰すように言われ、ヤクザに頼んで株券を盗む。しかし、10万円でやるといった仕事をヤクザ者は株券の価値(1500万円)の2割だと言い、株券を渡さない。

 

望月弁護士から栄子とはもう距離を置いたほうが良いと言われた早川。久しぶりにアパートへ帰ると里子がプレゼントした指輪を返しに来た。彼女は栄子の夫、陽造からことの次第をきき、その指輪は栄子のものだったことを知ったのだ。

泣いている姉をみた弟は逆上のあまり早川に襲い掛かり、警察へ。

 

田園調布の家には刑事がやってきて陽造を強盗の加担者として逮捕。

 

ケガから回復した早川の元に武雄が望月弁護士に連れられてやってくる。無事警察から解放された武雄、横には里子もいる。そして栄子から指輪は里子へプレゼントするという言伝が望月弁護士から伝えられたのだった・・・みたいな。

 

もう、夫が浮気三昧なだけで離婚できちゃうのになんてメンドクサイんだ?(笑。

そのうえ、夫は絶対離婚しないとかいうし。

 

早川(大坂志郎)も催促されてる月賦を栄子の指輪代から払ったり、望月弁護士もなんか意味深な調査費用の請求したりしてるんだけど、完璧に栄子をだまそうとかじゃなく・・ま、そこが救いでした。

物語が古いんで現代からするとかなりずれてる。

それにしても大坂志郎ってあの当時、引っ張りだこな俳優さんのひとりだったんですね。