日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

六本木の夜 愛して愛して 1963年 東宝

監督 岩内克己 脚本 田波靖男 原作 笹沢左保

出演 峰岸徹 中川ゆき 淡路恵子 清水将夫 松村達雄 藤原釜足 高島忠夫

   土屋嘉男 伊藤智子 

 

日本映画専門チャンネルより

なんだか東映の「夜の歌謡シリーズ」みたいな題名だが、全く違う「大人はわかってくれない系」の東宝作品。

当時の映画って主人公の家がお金持ち・・っていう設定か極貧かの両極端が多く、これは峰岸徹の家も、中川ゆきの家もそこそこな生活ができている。

 

不眠症で夜寝れない大学生の海老名(峰岸徹)は深夜の六本木で16歳だという千景(中川ゆき)と出会う。

彼女に連れられて行ったレストランは千景の母、惠子(淡路恵子)がパトロンの今川(松村達雄)の世話で任されており、バンドを入れて警察から目をつけれれている経営をしているが、恵子はお金儲けのために意に介さない。

 

海老名は大学に休学届をだしているが、何事も干渉しない彼の父は裁判官で社会の規律に従って生きている(まぁ当たり前だが)。しかし大学生の海老名にとってなんだか父のいうことには納得がいかないのだ(まぁ、若いしね w)。

 

千景と仲良くなりふたりで遊び歩く日々。

千景は海老名に男三人から暴行され、妊娠していることを告げる・・・。

彼はその父親がなんだか自分のような気がして、千景と結婚しようと千景の母、恵子に言うが、当然恵子は猛反対。娘の千景と言い争ううちに千景は恵子を2階の部屋から誤って突き落としてしまい、恵子は死亡。

 

なんとその犯人として海老名が自首し、彼は検察で取り調べを受けるこのになった。

裁判官の父は辞表を提出。海老名の仕業ではないのでは?と思う検察の大木検事(高島忠夫)だが・・・

 

ネタバレだが最後は峰岸徹も中川ゆきも死んでしまう。

まぁ、普通な出来なんだけど、なんといっても六本木のロケで今はなき誠志堂書店が首都高にじゃまにされずに映ってるとか(高速道路はまだなし)、交差点にあった明治屋とか(これは知らなかった・銀行のところ?)六本木交差点の映像は貴重。

まだアマンドもなかった。調べると六本木交差点にアマンドが開店したのは1964年だ。

マルガとある建物は昔、マイアミ(喫茶店)があった。道(芋洗坂)を挟んだ右のビルがアマンドだが、まだない。しかも芋洗坂にはまだ木造家屋が建っている(すごい)

右のビルにアマンドがあるのだが当時はまだ入居前、左の角には昔マイアミがあった。

誠志堂書店、通り(外苑東通り?)をはさんで明治屋がある。スゴイ。↓

 

 

どこから撮ったのか不明だが、木造の家がたくさんある六本木周辺。スゴイ↓

 

って、ここどこ?

最後に・・・妻よ薔薇のやうに で有名な伊藤智子、ばあや役で登場。

68歳の時。

彼女こそいい家の娘だが派手な人で夫の海外赴任中に遊び歩き、女優として舞台にでてたりで離婚。なんと永井荷風とつきあったという人だという。スゴイ♪

最後は自分の葬儀費用を枕元において自殺。スゴイ。

 

伊藤智子