日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

南氏大いに惑う 1958年 大映

監督 枝川弘 脚本 長瀬喜伴 原作 源氏鶏太

出演 船越英二 市川和子 川上康子 八潮悠子 角梨枝子 小川虎之助 

   柴田吾郎(田宮二郎

衛星劇場より

 

今でいうパパ活ストーリー。とはいえ、主人公の船越英二がやたらとモテる中年男性を演じているのだが、彼のあの飄々とした感じがあいまって役柄はピッタリだった。

 

会社を経営している南(船越英二)は渋谷ではるみ(市川和子)から声をかけられる。

なんと自分を一万円で買って欲しいというのだ。

驚きつつ、南氏は彼女と渋谷あたりの連れ込み?旅館へ・・・・。

 

彼女から事情を訊くと病気の母の入院費がいるのだという。いざその時となると彼女は泣き出してしまう。南氏は自分の幼い娘と同じ名前のはるみという娘を抱く気にはなれず・・・君の身体を担保に一万円はを貸すことにする。

南氏、すけべなのかそーでないのかなんだかわからないところが面白い。

 

その足で寄ったバーのマダム、景子(角梨枝子)は旦那がいるにもかかわらず南氏にぞっこん。だが南氏は景子に迫られてあたふたするだけで迷惑なようだ。

 

家で待つ妻(八潮悠子)は付き合いで遅い夫に文句も言わない当時ならよくできた妻(笑。

 

家へ帰ると嫁に行った妹の広子(清水谷薫)が夫の内田(鶴見丈二)が19歳の若い娘と浮気したとかで家をでてきたという。

広子はその19歳の娘に逆に説教されたとかでお冠だ。

 

南氏が義弟に会いにいくとそこには浮気相手の娘、昇子(川上康子)がいた。義弟は昇子と一緒になりたいなどと言いだし、南氏は義弟にしっかりしろと怒鳴りつける。

それを見た昇子は逆に南氏を好きになってしまう(え???

 

昇子を演じた川上康子という女優さん。初めて見たのが「赤線地帯」で、ゆくゆくは娼婦になる田舎からでてきた娘という設定でみた。

よーく見ると彼女、目が大きくて丸顔。野添ひとみ2号みたいな顔立ちなんだが生まれた時が遅かったのか野添ひとみ2号にはなれなかった。大映宣伝部にいたという方のブログでは彼女は30作映画に出演し、その後姿を消したとあります。1934年生まれらしい。ということは野添ひとみより年上なんだ・・・(;'∀') 元祖野添ひとみといったほうが良いのか。

 

南氏の会社は資金繰りが厳しく、銀行に融資をお願いするも断られる。

そこで取引先の大会社の社長、深江(小川虎之助)から会社を買おうという話を持ち掛けられる。深江のお妾のひとりの芸者からも南氏は追いかけられるモテっぷり(笑。

 

最後ははるみも南氏を好きになってしまうが・・・

 

渋谷のハチ公が登場するがうまく作られたセットだった。

 

ロケのシーンで”ざくろ” という看板がでてくるが、あのしゃぶしゃぶのざくろ?なんだろうか。

だとしたらずいぶん歴史のあるレストラン?なんですね。