日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

駆けだし刑事  1964年 日活

監督 前田満州夫 脚本 山田信夫

出演 長門裕之 長谷百合 伊藤雄之助 高品格 葵真木子 福田トヨ 木浦佑三

   宮崎準 山田禅二 河上信夫 深江章喜 木島一郎 鍵山順一

 

www.nikkatsu.com

 

日活より

 

日活も60年代中盤にさしかかり、段々輝きがなくなっていく映画業界斜陽の時代に突入。

監督の演出?が過剰すぎるのか、俳優さん、特に長門裕之とキーパーソンの長谷百合の演技がわざと過ぎる場面があるので映画中盤からなんとなく犯人がわかってしまいシラケ気味だったが、最後の最後でちょっとどんでん返し、しかしやっぱりそーなのかで終わる。

多少都内のロケがあったのが興味深かった。あの時代は突然撮影を始めたのか、道行く人が気づいて視線を浴びている俳優さん。

 

制服から私服の刑事となった新田(長門裕之)は新宿警察に配属され、意気揚々と職場へ。新米刑事なので部屋でウロチョロしてしまう。新米に与えられた仕事はまずお茶くみだ。

先輩の坂崎刑事(伊藤雄之助)が寄った花屋で店員の綾子(長谷百合)と出会い、新田は彼女に興味がわくようになる。やはり若い男性だ。

 

ある日、金融業者の権堂(山田禅二)が彼の事務所で殺されていた。凶器とみられるブロンズ像が現場に残され、そこに残った指紋が重要証拠となる。

本庁からきた宗田刑事(高品格)と街をあるいて手がかりを探すが地味な仕事に新田は内心不満であった。

そんなある夜、綾子が派手な着物姿で繁華街を歩いているところを見た新田。綾子に声をかけるが、気づかないのか逃げるように横道へ。そこで追いついた新田に綾子は花屋の給料だけでは病気の母を養えないので夜も働いていると言い、自分の勤めるバーへ誘う。なんとなく今夜の綾子は暗く、なにかを思い詰めているようだった。

そして綾子から事件当日の夜、重大な目撃証言を得た新田。早速報告し、綾子はそれで表彰状をもらうことになるのだが、事件の夜、権堂の事務所にいた山形(深江章喜)という男が逮捕され、警察署へ。取り調べを受けるも、山形は自分が事務所に行ったらすでに権堂は殺されていたと犯行を認めない。警察で証言をした綾子はそこで山形とすれ違うが、その後、新田に山形と警察で見たと言ってしまう。綾子は山形を知っているハズがないのに・・・。しかも山形は自分が事務所の階段をあがっていたら、男女二人が降りて来たと言っていたのだ。

疑念が浮かぶ新田だが、綾子を信じたいとも思う。

花屋へ表彰状を届けた新田。綾子はうれしそうでもなく、同僚の店員(葵真木子)のほうがスゴイと言って興味津々だ。

ここで葵真木子・・・撮影は1963年に行われたようだが、ずいぶん落ち着いた容姿となっていた。髪型のせいか?まだ23歳。

 

いくら綾子が好きでもやはり刑事として綾子の指紋が欲しい新田は、花屋でたばこに火をつけようと綾子にマッチをもらう。

早速綾子の指紋を調べてもらうが、一致しないと言われホッとしたのもつかの間・・・

長門裕之と長谷百合

日活より