日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

薔薇いくたびか  1955年 大映

 

監督 衣笠貞之助 脚本 衣笠貞之助 相良準

出演 若尾文子 根上淳 三益愛子 京マチ子 菅原謙二 長谷川一夫 南田洋子

   船越英二 村田知栄子 小沢栄 村瀬幸子 山本富士子 見明凡太郎

   入江洋祐 市川和子 林成年 勝新太郎 北原義郎 市川雷蔵 高松英郎

   矢島ひろ子

 

wikiより

好意を寄せながらなかなか結ばれない男女のメロドラマ。2時間越えで大映スター多数出演です。

 

大受験で知り合った光子(南田洋子)と弓子(若尾文子)。試験が終わって光子の兄、真一郎(根上淳)の迎えの車に同乗した弓子は真一郎がよく行く大学のクラブでお茶を飲む。受験番号しか知らない光子達はそのまま別れるが、真一郎は弓子に心を惹かれた。松戸?あたりの田舎に住む弓子も真一郎が忘れられない。しかしお互い名前も知らないのだ。

南田洋子・北原義郎・矢島ひろ子・根上淳

 

若尾文子

合格発表の日。光子は合格したが、弓子は落ちてしまった。そこへ真一郎が現れ、送っていきましょうというが、弓子は不合格のショックでそのままひとりで帰る。

弓子の家は没落しており、弓子を見初めた市岡家の長男、松夫(船越英二)の元へ嫁ぐことになった。その地方では足入れといって正式に結婚する前に婚家で暮らす風習がある。その嫁が気に入らなければ戻されるのだが、弓子は気に入られているし、そんなことはないだろうと皆思っているのだが、市岡家に行って2日目、何気なく新聞を見た弓子の目に飛び込んできたのは、117番連絡せよ、119番の兄 とある尋ね人の広告だった!その新聞をもってひとり脱衣所に入ると、そこへ松夫が入ってきた。弓子の様子がおかしいので問い詰める。弓子は芸大で会っただけの人だというが松夫は納得しない。結局、弓子は男がいたということになって実家に帰されることになった。

松夫には手をつけた女中がおり、訪ねてくるが、母(村田知栄子)は追い返すというシーンがあって、男ってどうしてそうなの?といつも思う。

村田知栄子と船越英二

一方、真一郎は友人(菅原謙二)から夢をみるのはよせと言われ、いつまでも弓子を忘れられない真一郎を注意する。大阪の従妹、富子(矢島ひろ子)は真一郎が好きで結婚話のでた大阪からでてくるが、まだ名前もわからない弓子(117番)という女性が好きなことを知るがなんとか自分に向かせようと躍起となる。妹の光子はそんな富子を応援するのだ。

 

弓子の夫、松夫は広告に載っていた電話番号みて電話をかける。「俺のオンナに手をだすな」的なことを一方的にいわれた光子は新聞広告をみて兄がだしたに違いないと思い両親(村瀬幸子・小沢栄)に報告するが、真一郎は知らない。

 

実家に戻された弓子は、(ここがなんだかわからないが)東京の鶯谷にいる故郷の友人宅へ身を寄せる。道代(山本富士子)はどうもクラブ勤めのようだが、なんか突然なんでどうして弓子が東京へ行くことになったのかがいまいち不明。

久しぶりに芸大へ行ってみると偶然真一郎に会う。一年ぶりの再会だ。そして真一郎は両親に会って欲しいと箱根の別荘にいる両親へ会せるが、そこで過去にあった松夫からの電話の話がでる。ウソがつけない弓子は真一郎に足入れのことを言ってしまい、それを知った真一郎は弓子が純潔でないことが許せず、そのまま別れる。

富子は真一郎が自分のものになると嬉しがるが、訪ねて来た弓子のピアノ教師(京マチ子)に真実を言った弓子の心は純潔なのだと言われ我に返る・・・。

2時間越えなのは途中で長谷川一夫市川雷蔵の踊りの舞台シーンなんかもあるからだろうと思うけれど、長いわりには1年前にお茶だけのんだ女性に再会しただけで両親に合わせるのは微妙な話。これぞ一目ぼれの王様!。前述したがどうして弓子が東京へ行くのかはどうも実家の父が亡くなり田舎の家は売ったからだろうけれど残された弟(入江洋祐)はどうなるのだ?とか、弓子の友人の道代はなんでクラブに勤めてるのだ?がわからなくてこんなに長い映画なのにそれは描けなかったのか??と思いました。

白塗りの優男時代の勝新太郎が学生服で登場

勝新太郎

市川雷蔵と矢島ひろ子

根上淳長谷川一夫

船越英二若尾文子・林成年・市川和子

若尾文子三益愛子

矢島ひろ子という人はなんだか岸惠子似の女優さんですが、どうも引退しているようでその後は不明です。

矢島ひろ子

このシーン、左奥の建物は明治大学でした。お茶の水

 

明治大学 お茶の水

日比谷公会堂