日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

屋根裏の女たち 1956年 大映

監督 木村恵吾 脚本 井手俊郎 木村恵吾 原作 壺井栄

出演 望月優子 川上康子 倉田マユミ 市川春代 八潮悠子 賀原夏子 

   藤田佳子 岸田今日子 浦辺粂子 村田知栄子 船越英二 多々良純

 

アマゾンプライムビデオより

出演者は地味だけれどなかなか良かった作品でした。原作が壺井栄というのは驚きでした。ロケはなんと小豆島で行ったようですが設定は伊豆半島?かどこか?

 

 

とある漁村でうどん屋を営むおきん(望月優子)はこの春学校を卒業するおコウ(川上康子)と二人暮らし。うどん屋ではたいした稼ぎにならないが、村越という流れ者の男から女をおけばお酒が売れると言われる。

近所で宿屋を営むおしま(賀原夏子)がちょうどいい女がいるとはるみ(倉田マユミ)という女を連れて来た。酌婦として雇ったつもりがはるみはお客を屋根裏部屋に連れて行き商売をする。おきんには稼ぎの半分を渡すというので乗り気ではなかったおきんもその気になった。

そして次々と女を雇い、おしまの店は繁盛しだす。学校を卒業したおコウには花や洋裁を習わせ、お嬢さんと呼ばせる。店の離れを改築し風呂も作った。

ある日漁業組合の組合長の息子とおコウの縁談がもちあがり、おきんは意気揚々と旅行を兼ねて女たちも連れて行くがなんとその話は組合長の妾の話であった。

怒ってその日のうちに帰るおきん達。運転手として雇った東京から来たという川井(船越英二)と話すようになったおコウ。川井はその後、女たちから誘われても帰ってしまうような真面目な男のようだった。物腰も柔らかく優しそうな川井。ある日おコウが母の薬を取りに行こうと家をでたところに川井が自転車でとおりがかり、乗せて行ってもらうことになった。

川上康子・船越英二

他の自転車カップルと競争したりしておコウは楽しかったが、川井は山中へ・・・そこでおコウが早く帰ろうというといままでと違った態度を取る川井におコウは恐怖を感じる・・・そして乱暴されてしまった。

しかしおコウは川井を愛するようになる。ところが彼女は妊娠した。

川井のところへ行き妊娠を告げると、川井はおコウの家があんな商売をしているのだから自分の子供ではないと言い出す・・・翌日、川井の姿はなく、逃げてしまったのだ!

 

おきんのあいまい屋の女の一人は魚を売りにくる漁師と一緒になったり、刃傷沙汰を起こしたり、逃げ出したりする女が立て続けにでた。柳橋にいたという菊江(市川春代)は眼鏡屋の主人に見初められ、後妻として見うけされることになったが、ひょっこり現れたおきんに女を置けといった村越が現れ、菊江が逃げた妻だとわかって彼女はまた慌てて逃げ出す・・・。

最初、彼女が市川春代だと気づかず、うまい女優さんだなぁと思っていた(;^_^A

市川春代

 

そしておコウの妊娠を知ったおきんは出ていけとおコウを追い出すが、船着き場で切符を買う娘に二人で生まれてくる子供のためにまたうどん屋をやろうという。おきんも男に騙されて産んだ子供がおコウだったのだ。

 

川上康子

川上康子は「赤線地帯」で初めてみましたが、野添ひとみのようにはならずその後、姿をみなくなりました。

1934年生まれだそうで存命なら89歳になります。