監督 春原政久 脚本 高橋二三
出演 若水ヤエ子 柳沢真一 中村万寿子 藤野宏 小川虎之助 森川信 岡村文子
藤村有弘 渡辺篤 新井麗子
この作品、築地にあった橋のどこであるか特定に時間がかかりました。
聖路加病院を背にして築地本願寺が見える橋。
まず備前橋だと思ったんです(現在もかろうじて本願寺が見える)
映画でのシーン
しかし、背後の聖路加病院の建物と左隅に見える特徴的な橋柱
で、暁橋だとわかりました。
橋柱は映画撮影当時変わってますがこの暁橋だと思ったのは背後の聖路加病院です。
備前橋だと遠すぎる。
ということで作品の内容より風景が貴重な映画です(;^_^A
客に呼ばれ、あんまに行ったおヤエは赤ん坊を背負っていったので客(藤村有弘)から他のあんまにする!と怒られるが、おヤエは必死で自分にあんまをやらせてくださいと頼み込む。その事情を話すおヤエ・・。
築地の旅館で女中をしながら弟、孝志(藤野宏)を法学部に通わせているおヤエ(若水ヤエ子)。ある日孝志に呼び出されておこずかいを渡そうとするが孝志はそれだけじゃ足りないと言われてしまう。女中の稼ぎだけでは弟を卒業させられないと知ったおヤエにその旅館に出入りするあんまの千鶴子(中村万寿子)はおヤエにあんまをやらないかと持ち掛ける。あんまのほうがお金が稼げると連れていかれた築地治療院には主人(森川信)と妻(岡村文子)、そして住み込みのあんまの女たち。そこで2年間、治療院にお金を出してもらいあんまの学校へ通いながらあんま修行することになった。
旅館の前借や学校のお金を立て替えてくれた治療院夫婦。基本、この映画ってちょっと悪い人はでてくるが極悪非道な人はでてこないのが特徴(笑。
まだ見習い中のおヤエだがある日呼ばれていった先のお客が興信所所長の森園(小川虎之助)。おヤエは逆に森園からあんまの手ほどきを受ける始末。おヤエの事情を知った森園はその後、おヤエを助けていく。
おヤエの話を立ち聞きした客の長岡(柳沢真一)は帰ろうとするおヤエを呼び止め、やはりあんまを頼む。優しくてハンサムは長岡はその後おヤエをよくあんまに呼ぶようになる。
無事に法科を卒業した孝志だが、就職試験に落ちてしまったという。おヤエは森園に就職先を相談すると東京の興信所を孝志に任せるといい、孝志の就職先は決まった。
ところが着ていく背広がない。お金のないおヤエに千鶴子は自分の貯金をおろして貸してあげるといい、背広を買うことができた。
おヤエが「とっても吊るしとは見えない」というセリフがあるが昔は背広は作るのが当たり前で出来合いの背広は「吊るし」といってある意味バカにしていた。これはかなり続いていて私も知っている。今は「吊るし」でもブランドものだと普通のオーダーメイドより高~~~いものがある。
ところがそんな千鶴子との出会いで後日、孝志は千鶴子と結婚したいと言い出す。
彼らはこっそり付き合っていたのだ。
孝志を訪ねたおヤエは千鶴子と孝志のことを知って激怒。あんまと結婚させるために孝志を大学まで行かせた覚えはないのだ!!まぁ、この気持ちもなんとなくわかる。
二人に見切りをつけたおヤエ。おヤエは無事あんま学校を卒業し、優しい長岡に報告する。長岡からは母親の形見だという指輪をもらい、結婚を申し込まれる。こんな幸せでいいのかとそれでも自分の幸福に酔うおヤエだったが・・・。
森園興信所で働く孝志はある日顧客から行方不明になった婚約者探しを依頼される。
調べていくとその男は行く先々で女性からお金を騙していることがわかる。
そして彼が姉も騙していることを察知!!
長岡が待っている旅館に行ったおヤエ。通帳はもってきた?と訊かれたおヤエだがそんなやり取りをしていると部屋に刑事がきて長岡を結婚詐欺で逮捕。長岡というのは偽名で本名は山田三五郎だという。
それでも信じられないおヤエは警察に面会に行く。ところが長岡に惚れている女性もたくさんやってきておヤエはその場をあとにして死に場所を求めて夜のまちをさまよう。
首を吊ろうとしたが落っこちたのが孝志が出産間際の千鶴子を病院へ運ぼうとしたトラックの荷台。千鶴子は胸を患っていると知ったおヤエは千鶴子が治るまで赤ん坊を育てる!と決心して・・・赤ん坊を背負ってあんまへ来たという。
その話をきいた客もいたく感動しておヤエにチップをはずむのだ!
明石橋の袂の易者に水難の相があるといわれたおヤエ。背負った赤ちゃんのお尻から盛大に水が~~。
もう一つ貴重な映像。浜離宮庭園の出入り口
現在の様子