日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

サラリーマン目白三平 亭主のためいきの巻 1960年 東宝

監督 鈴木英夫 脚本 井手俊郎 松木ひろし

出演 笠智衆 望月優子 水野久美 団令子 松本染升 三田照子 浜美枝

   加原夏子 三島耕 松村達雄 左卜全

日本映画専門チャンネルより

東宝でつくった目白三平の第4作。お話が多すぎて「亭主のためいき」が薄まっている。第一作のほうが良い・・が、私はこれと第一作しか見ていないから偉そうなことは言えない(;^_^A

 

妻の文子(望月優子)や高校生の長男、春木(坂下文夫)からは要領が悪いの、うだつがあがらないのと言われる三平(笠智衆)。

ある日、旅館の女将から会社へ電話がかかってくる。

なんでも三平の親戚だという柏木みさ子という娘が旅館に滞在しているが、彼女の具合が悪く、お医者さんを呼ぶけれど彼女はお金をもっておらず、三平に連絡して欲しいと言われたと言うのだ。三平にみさ子という名前は心当たりがないが、とにかく旅館へ行く。娘はすっかり良くなったというが、三平は旅館代と診察代の2200円を支払う。娘に会っていかないのか?と引き留められるがその場を後にする三平を追い駆け、みさ子が旅館からでてくる。三平の故郷、松本から家出してきたという。ここでなんだかわからないのがみさ子は三平の遠縁なのか、それとも三平の友人の娘なのか?

三平はさらにお金がないだろうとみさ子に1000円を渡し、どうするのだ?と訊くと友人の家に行くという。

結局、3200円の出費となった三平は妻の文子に報告しようとするが、文子は息子が使うシャンプーが10円もする!と言うので言い出せなくなった三平(が可哀そうw)。

 

社では親睦会が月一回開催されるが下戸な三平はこんなことに20年間使ったお金があったら今頃は電気冷蔵庫が買えたのに・・と思ったりする。

へべれけに酔った課長(松村達雄)をタクシーで送り届けると玄関には課長の妻が鬼の形相で立っていた。戻ってタクシーの運転手にどこまで?と訊かれ、終電が終わっているので、三平は仕方なく借家のある目白までタクシーで帰ることになる。

起きてきた妻の態度はやはり課長の妻と同じだった(笑。

 

みさ子からまた会社に電話がきた。相談があるという。なんだかワクワクする三平。

いつも行く喫茶店で待ち合わせすると、仕事を世話して欲しいと言われる。

顔なじみの喫茶店のママ、洋子(三田照子)に頼み込み、三平が保証人となって住み込みで働くことが決まった。ママの娘?敦子(浜美枝)は本当に親戚の娘なのかいぶかしむ。

 

二男の冬木(日吉としやす)は養老院の老人にクラス全員で手紙を書くことになる。

しばらくすると冬木におばあさんから返事が来た。早速母に見せようと家へ帰ると文子は近所の主婦(賀原夏子)とおしゃべりに忙しい。なんだか面白くなくて冬木は貯金箱を割り、全てお菓子にかえてその足で柿生にある養老院へ。おばあさんには会わずに帰るがその後、担任の先生(三島耕)がおばぁさんから届いたお礼の手紙と養老院でつくっているという落花生をもって三平夫妻の元へ。

あくまでも優しい冬木は母の留守中にも押し売りにきた老人(左卜全)から高いゴムひもなんかも買っている。

 

松本からみさ子の父(松本染升)が迎えに来た。みさ子が家出したのは父の新しい相手とのことだった。なんだかここもハッキリしないんだけど、みさ子の父はその人とは別れた?らしい。三平の説得もあり、みさ子は松本へ帰ることになった。

 

家に帰るとみさ子に立て替えたお金、3000円を妻、文子へ貸していたお金が返ってきたからこれで何か買えと渡す。喜ぶ文子だが、翌朝、玄関には三平の真新しい革靴が用意されていた。文子はまずはお父さんの靴が先だと笑顔でいうのだった。

新しい靴を履いて満足そうに出勤していく三平の姿がそこにあった。

 

それ以外にも三平夫婦が仲人した新婚夫婦(団令子)の登場があってちょっと欲張り過ぎたストーリーでした。1955年のとは違い、借家といえども三平の家にはテレビがあったり、家具も増えて高度成長期を迎えているのがわかります。

三平の長男役の坂下文夫のwikiはありませんでしたが、小学生の冬木役、日吉としやすは大人になっても俳優を続け、今は不動産業とありました。

ふたりともなかなかいい顔をしている少年です。

笠智衆望月優子

 

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