日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

探偵事務所 23 銭と女に弱い男  1963年 日活

監督 柳瀬観 脚本 浅野辰雄 山中耕人 原作 大藪春彦

出演 宍戸錠 葉山良二 笹森礼子 星ナオミ 小池朝雄 金子信雄 郷 鍈治

   二本柳寛 山田禅二 初井言栄 

 

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大藪春彦の小説を映画化した第2弾。アマゾンプライムで無料視聴♪

 

ところで、私星ナオミさん、勘違い?していたような・・・

 

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この人が星ナオミ?らしい・・・

じゃ、この人は誰?(笑

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泥だらけの純情・・浜田光夫に惚れているホステス役の人

宍戸錠は探偵事務所を経営する探偵。笹森礼子が手伝っている。

 

モテモテな宍戸がある晩おんなのアパートから出ると、公衆電話で電話をしていた男が撃たれるのを目撃する。懇意の刑事、金子信雄に連絡するが宍戸錠はお金にならないことはしない主義。

 

ある日、銃砲店の主人 山田禅二から新しくできた宮城銃砲店に客を奪われているので調査して欲しいと依頼がある。

早速潜入開始・・・・するが・・・

 

謎の中国人小池朝雄、宮城役の葉山良二、そして香港のボスの女 星ナオミ・・・

まぁお決まりのストーリーだ。

結局 宍戸錠の探偵シリーズはこれ以上作られなかった。

 

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森礼子宍戸錠

森礼子は美人だけれど、なんだか華がない女優さんになった・・・。

ところで、このシャンゼリゼという喫茶店、別の映画でもみたことあるが実際にあったのだろうか・・・

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シャンゼリゼという喫茶店

場所は右の看板が赤坂ホールとあるので赤坂なのだろうか・・・

 

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泥だらけの純情  1963年 日活

監督 中平康 脚本 馬場当

出演 吉永小百合 浜田光夫 小池朝雄 和泉雅子 

 

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いったいこの年、吉永ー浜田は何本の映画を撮ったのだろう??

とにかくものすごい数の似たような映画が日活でつくられている・・・

浜田光夫ってまだ1963年当時20歳なんだよねぇ・・・

確かによくみると顔は幼いけれど演技のうまさもあってか街のチンピラがかなりはまり役・・・かたや、小百合ちゃんは外交官のお嬢様で横浜の邸宅に暮らしている。

普通ならそんな二人が出会うはずもないのだが、ある日、新宿で不良学生にからまれている吉永とその友人を通りすがりに助けた浜田光夫

 

ふたりは惹かれあうのだが、浜田の周りと吉永の周りの生活環境は全く違うのだ。

そこに悲恋がある!

 

浜田の兄貴分の小池朝雄はすらっとしたニヒルなおにいさんだった。私が知っている小池朝雄というと・・・時代劇の悪役かな(笑。

 

ところでこの人が星ナオミって人か・・・

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数本の代表作を残しているが今はどうしているのだろう?1938年生まれの当時25歳

この映画ではホステス役

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(多分)当時の渋谷東横線

 

可愛い花  1959年 日活

監督 井田探 脚本 高橋二三

出演 ザ・ピーナッツ 岡田真澄 白木マリ 平尾昌晃 相馬千恵子

   松下達夫 藤村有弘 堀恭子

 

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50分にも満たない映画だけれど、ただの歌謡映画だと思うと大間違い♪

ピーナッツが双子であることを大いに利用してうまく話が作ってある。

結構楽しめた♪♪ 「二人の銀座」よりスジは絶対おもしろい。意外に無名?なのはなぜ?(笑。

 

岡田真澄はレコード会社に勤めるディレクターだが、株が趣味。ある日、訪ねてきた大学?の後輩、平尾昌晃が歌手になりたいと来たのだが、歌もよく聞かず追い返す。

ところが別のレコード会社からデビューした平尾は有名歌手になり、岡田の会社の社長からヒットを飛ばせる歌手を発掘してこいと言われてしまう。

 

岡田の妻 白木マリは探偵会社を経営し、岡田より稼いでいて彼女は自分のアシスタントとして働いてほしい、安月給でこき使われている岡田が可愛そうだとレコード会社をクビになるように画策を巡らす・・・。

 

ピーナッツの一人ユミちゃんは化粧品会社を経営する女社長、相馬千恵子の娘で、将来歌手になりたいと思っているが母の反対にあい、家出してしまう。そこで頼んだ興信所が白木マリの登場となる。

 

一方のエミちゃんも歌手になりたい。彼女の父 松下達夫は戦前に売れた歌手だったが今はピアノの伴奏で食いつないでいる。娘の願いを叶えようと父親と一緒に岡田のいるレコード会社で歌を聞いてもらうが、岡田はインパクトが足りない・・と断られてしまう。

そこへ、ユミちゃんが現れ、歌を聞いて欲しい・・と岡田に頼むのだが、双子なので岡田は先ほど歌を聞いたエミちゃんかと思いひと騒動。

 

初めてお互いが双子だとわかった二人は、一計を案じ、ユミちゃんはエミちゃんの家へ、エミちゃんはユミちゃんの家へ洋服を交換して行くことにする。

父は母のことを悪く言い、母は父のことを悪く言う・・・我慢ならなくなってお互い入れ替わったことを白状するが・・・なんとそれがきっかけとなって父と母は仲直り。

 

しかし歌手になりたいという娘二人を諦めさせようと、岡田に頼んで二人の歌をまた聞いてもらい断って欲しいと頼む。岡田はお安い御用だと二人の歌を聞くと・・・・

あまりの素晴らしさにいつも聞いている株式情報のラジオもそっちのけで聞き入ってしまう。会社の重役連も集まって二人は歌手に・・なる・・ことになるのだが、その情報を知った平尾のいるライバルレコード会社は平尾にコミッション500万円を支払ってなんとか自分のレコード会社と契約させようとする。

 

平尾は、契約書をもって岡田のいるレコード会社の社員を装い契約書に父親のサインをもらって帰り、いざ契約という段になって父親がまた契約書ですか?という一言でライバル会社と契約してしまったことがわかる。

 

結局岡田はクビになり、自分の思い通りになった白木マリは大喜び。喫茶店で平尾と共に岡田に会うが、平尾がこれは先輩のお金ですと差し出した500万円を元手に株に投資するとお金がどんどん増えていく!

 

ザ・ピーナッツと名付けられてコンサートを行う会場に車で来た白木マリ。そこへ今まで車も持っていなかった岡田がアメリカ車で現れる。

 

会場内でピーナッツが歌を歌い、仲たがいしていた白木マリと岡田真澄は握手してハッピーエンド♪

 

色々な場面でちょっとしたギャグあり。

カメラワークも考えられていて、例えば平尾昌晃が岡田のレコード会社にいて

セリフを言って振り返った瞬間、そこはライバルレコード会社になったりする。

しかも話の筋は通っている。

 

なにか妻のトリセツ、夫のトリセツ みたいな話で 白木マリと相馬千恵子は稼いでおり、夫を心配している・・意見が一致して握手。夫の岡田真澄と松下達夫はそんな妻はうるさいばかりだとやはり意見が一致して握手・・・

 

ピーナッツのセリフの棒読み感は否めないがあまりセリフもないから許そう(笑。

 

相馬千恵子・・・私が初めて見たのは浅草四人姉妹だったかな。随分背の高い女優さんだけれどwikiだと1922年生まれ・・まだ生きているようだが1962年日活のひとつのいのちという映画以降は載っていなかった。

 

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女社長 相馬千恵子 なかなかグッド

 

 

街燈  1957年 日活

監督 中平康 脚本 八木保太郎

出演 月丘夢路 南田洋子 葉山良二 岡田真澄 中原早苗 細川ちか子 山岡久乃

   草薙幸二郎 渡辺美佐子 北林谷栄 芦田伸介 小沢昭一 刈屋ヒデ子

 

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大学生の間で流行った(? わざと定期券を落とし、その拾い主との間にロマンスが生まれ・・・ることを期待した学生。その定期を拾った女性、南田洋子を訪ねてその学生の兄 葉山良二が登場。

南田は洋裁店を営んでいるが、銀座でGINという洋裁店を開いている月丘夢路と友人同志だ。月丘はパトロン大久保氏がいるがやはり定期を拾ったことが縁で今は自分の洋裁店にいる岡田真澄が若いツバメ・・・。岡田はハンサムなので店に出入りのマダム、細川ちか子や山岡久乃にも気に入られている。

そして社長令嬢、中原早苗も岡田にぞっこんで岡田を将来自分が開くブティックに来ないかと誘う。

 

お洒落なタッチで、月丘も南田もはっきりものを言う現代女性。

 

すごいなと思ったのは、月丘のパトロン紳士、大久保氏は声だけとか背中だけの登場で

なかなか良い。恋愛ものだけれど暗い話はない。

月丘は岡田も好きだが、パトロン氏も好き・・・そこがうまく演出されている。

 

南田は葉山良二と仲良くなるのだが、あることで葉山が勤める研究所をクビになり田舎へ一旦帰る日に南田に会いに行く。南田はそこで逆プロポーズをするのだが、南田の家を後にする葉山良二がハンカチで口のあたりを拭くしぐさは南田と接吻したのだな・・・とわかる。

こーゆー映画待ってました!(笑。

 

なんでもかんでも映像にすればいいってもんじゃない。

 

衣装は森英恵が担当してます。

 

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銀座のお店が火事になって・・細川ちか子の毛皮姿がゴージャス

 

かくて夢あり  1954年 日活

監督 千葉泰樹 脚本 猪俣勝人 小森静男

出演 宮城野由美子 花柳小菊 島崎雪子 小林桂樹 伊豆肇 若原雅夫 

   清水一夫 山村聰 多々良純 利根はる恵 梅原道子 北林谷栄

   千秋実 清水将夫 伊沢一郎 小堀誠 山田禅二 

 

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戦後 制作を再開した日活の現代劇第一作とある。NHKラジオで人気を博したメロドラマなのだが・・・なんだか小林桂樹がメロドラマの主人公という感じではなかった(笑。

 

茨城で林業を営む家の次男の小林桂樹は東京で弁護士になろうと勉強をしている。

兄の伊豆肇は家業を継ぎ、小林の幼馴染で遠戚の宮城野由美子を妻に迎えるが

実は小林、宮城野ともお互いが思いあっていた。

しかし、小林は宮城野を兄嫁として接し、宮城野も一生懸命夫に仕えるが伊豆肇は結婚後一年もしないうちに変わってしまい、水戸の芸者を水揚げしたり色々な事業に手を出したり、宮城野が意見すると暴力を振るうようになる。

いたたまれなくなった宮城野は意を決して東京で自立しようとするのだが・・・

 

とにかく宮城野はモテモテで、同じく小林桂樹もモテモテ(笑。

 

長い映画で色々あるのだが、

最後はやっと愛を誓い合ったふたり・・・なのに家の山が・・・山火事!

で、終 第一部 となる。

え?第一部ってことは続きがあるんだよねぇ・・・と探したがプライムではみあたらず

ネットで検索するとこの映画の評判がよくなかったので結局第二部は作られなかった

という・・・え?(笑

確かに出来が悪い。宮城野、小林共に美人、美男とは言い難く(すいません)メロドラマの主人公にしては花がない。

唯一の救いは小林を追って東京へ出てくる親友の妹、島崎雪子と小林と一緒に楽団の歌手として同行する新人の梅原道子、そしてバーのマダム役の花柳小菊はお色気ばっちりだった。

 

 

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学生服が似合わない(笑 小林桂樹と 地味な宮城野由美子

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バーのマダム 花柳小菊島崎雪子

この梅原道子という人は「消えた中隊」とこの映画以外ではネットでは調べられなかった。今どこに??

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新人 梅原道子

ところで清水一夫と言う人、ふとした瞬間、宇野重吉に見えるのは私だけだろうか?

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花柳小菊と清水一夫

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一番の美人 島崎雪子

 

二人の銀座    1967年 日活

監督 鍛治昇 脚本 才賀明

出演 和泉雅子 山内賢 和田浩治

 

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まぁベタな歌謡曲映画。

ただブルーコメッツの森と~泉にぃ~かこぉ~まれてぇ~♪♪は懐かしかった。

いまだに覚えている。

子供達の間では 森とんかつ~泉にんにく~かこぉんにゃく~まれてんぷら(天丼パターンあり 笑)と歌われていた。

 

さらに月の家円鏡が屋台のおやじ役で出演していたが、そういえば当時かなりテレビで売れっ子の落語家だった。

 

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うちのセツコに・・・という月の家円鏡 懐かしの顔(笑

wikiだと2015年81歳で没とある。

 

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ブルーコメッツ

 

銀座の女  1955年 日活

監督 吉村公三郎  脚本 新藤兼人

出演 乙羽信子 轟夕起子 藤間紫 日高澄子 北原三枝 長谷部健 清水将夫

   飯田蝶子 多々良純 近藤宏 田中筆子 殿山泰司 安部徹

 

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感想・・・一言で言うとなんだこれ?(笑。

もう一言で言うと どうした吉村公三郎!(笑。

 

銀座の芸者たちの物語なんだけど、???なにかのパクリ・・にしては出来が悪い。

 

銀座の芸者置屋 しづもと。おかみの轟夕起子、芸者の乙羽信子藤間紫、南寿美子、

下働きの田中筆子と福島から売られてきた16歳の少女がいる。

 

物語は養老院前というバス停に降り立った飯田蝶子。当時、養老院に入るお年寄りは可哀そう・・・というカテゴリー。慰問に訪れた幼稚園児のお礼にと三味線を披露する。

その場面を見た轟夕起子は、そのおばぁさんが、自分が芸者になるときにいた置屋のおかみだった・・・。

芸者である自分にはもちろん子供はおらず、轟は大学生の世話をしている。

将来、その子に養子になってもらい、自分は幸せな老後を送ろうとするが・・・

轟夕起子は太り過ぎで、あまり芸者には見えない。

 

藤間紫は田舎に預けた息子と一緒に住むためにお金が欲しいといつも宝くじを買う。

この藤間紫が一番芸者っぽかった(笑。 

 

乙羽信子は兄が税務署勤めで、座敷ではその兄を通じて自分の税金をなんとかしてもらおうという客に人気が高いが、彼女はそのことに気づいていない。

ある日、兄に呼び出された乙羽は、兄が八王子に転勤になることを聞かされる。

それを境にお座敷で声がかからなくなる。兄に自分の妹だから人気があっただけだ、芸者などやめてお嫁に行った方が良いなどと言われてしまう。

 

で、ここでなんで税務署に勤める兄がいるのに乙羽信子が芸者になった?(笑。

そのことは一切でてこない。。

 

福島から売られてきた少女は胸の具合が悪く、おかみに内緒で月島の診療所で診察を受けに行く。医者に東京の空気が悪いから・・などと言われるが売られてきた少女は東京を離れられないので先生になんとか治してくださいと薬をもらう。

 

ここも、??少女は診察代や薬代をどう工面したのだろう?国民皆保険など(多分)まだなかったろうし、あったとしても少女が加入しているとは思えない・・・。

 

芸者たちの本音や生き方、さらに人員売買が行われている実態を描きたかったのだろうが、とにかく変な映画だった。

「赤線地帯」「洲崎パラダイス」「夜の女たち」「大阪の宿」のような物語を期待すると裏切られる映画です(;^_^A

 

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銀座の女