日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

花婿の寝言 1935年 松竹蒲田

監督 五所平之助 脚本 伏見晃

出演 林長二郎長谷川一夫) 川崎弘子 小林十九二 斉藤達雄 突貫小僧

 

それまでの長谷川一夫のイメージが一新した映画でした。

それにとっても若い(笑。

最初、林長二郎が誰だかわからず、ネットで調べた覚えがあります。

五所監督は、コメディだと「ごしょ亭」とか「ごしょ」とかがクレジットされますね(笑。

 

新婚?の長谷川と川崎はいつも仲良くて、出勤するとき、友人の小林が迎えに行っても

いちゃいちゃしてたり、(妻があまりにも美しいので・髪形が素晴らしいとか)写真を撮るだの言って小林をげんなりさせる。

 

酒屋の小僧、突貫小僧は酒屋のあいさつの練習をしていた野原で得体のしれない斉藤達雄と知り合い、斉藤からこの辺で体の弱い人知ってるかい?などと訊かれる。

斉藤によると、大病じゃなくて、ちょっと具合の悪い人がいいらしい。

突貫小僧はそれなら長谷川の家の奥さんは、ご主人が出勤したあとに寝るから具合が悪いだろうと斉藤を連れていく。

塀の穴から部屋を覗くと、確かに奥さんは女中に布団を敷かせてこれから寝ようとしている。

 

小林は恐妻家で、会社帰りにすきやき用の肉を買って帰ったり、家でねぎを切ったりしている。おしゃべりに夢中でねぎをたくさん切り過ぎてしまい、奥さんからこれからねぎをおかずにすると言われ大弱り。

 

ある日長谷川の母が訪ねてくる。女中は川崎が寝ていることを言われずに、奥様も外出している・・という。

長谷川は自分が出勤したあとに川崎が昼寝していることを知り、「そんな女だとは思わなかった、離婚する!」と言う。それを聞いた母は川崎の父親に連絡。

長谷川がなんで昼寝などするのかと責めると、最初は言えなかった川崎は

「長谷川の寝言が凄いので雑誌で読んだおまじないを一晩中していたら自分が不眠症になってしまい、だからあなたが会社に行ったあとにまた寝るのです。」と白状する。

それを聞いた長谷川は「結婚前、1か月半入院して寝言は治したはずなのに・・」「そこまで自分のことを思ってくれているなんて」と仲直り。

川崎の父親と長谷川の母はそれでも承知しない。

そして本当に寝言を言うのか言わないのかもう一回寝てみろという。

そんなこと無理だと友人の小林に助けを求めるも、その小林も寝た方がいいなんていう始末。

そしてニセ催眠術師?の斉藤達雄が呼ばれて、長谷川に催眠術をかける。

長谷川はそんな術にはかからないが、かかったふりをして寝床へ。

そこで「僕の母も妻の父もいい人なんだけど、・・・」と言いたかったことを寝言でいうと、いたたまれなくなった父親、母親は出ていってしまう。

小林夫妻には「あいつはひどい奴だ。女房にはだまっててくれとお金を貸した。」というと小林の妻がそれを聞いてポケットを調べる。

「お金はチョッキ(古)の右ポケットに入れた」というと確かにでてきた。

最後にニセ催眠術師、斉藤と川崎が部屋に残った。

斉藤が、どうですか、効いたでしょう?というと、長谷川がまた寝言で「若い女性を騙す変な男にはきをつけろ」などと言い始め、斉藤もそそくさと部屋を出る。

川崎が「あのー、催眠術を解いてください」というと「そんなのほっとけば解けますから」といい逃げ出す。

部屋をみると目を開けた長谷川の姿。

寝言にかこつけて言いたいことを言い、めでたし、めでたし。

ノッパラで突貫小僧に会った斉藤は「小僧、酒一升持ってこい」というと

「へい、まいどどうも」でお終い。

とにかく長谷川と川崎のいちゃいちゃが凄い(笑。

ロケ地はどのへんだろう?