日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夜ごとの夢 1933年 松竹蒲田

監督 成瀬巳喜男 脚本 池田忠雄

出演 栗島すみ子 斉藤達雄 飯田蝶子 吉川満子 坂本武 澤蘭子

 

栗島すみ子は女給をしながら息子を育てている。

冒頭、栗島が二人の男(船乗り?)に波止場?で話しかけられる。

煙草をもらい、話をしたいならここに来て・・とマッチを渡す。

蒸気船?に乗ってアパートへ帰る。隣に住むおかみさんが(吉川満子)息子を預かっていてくれている。

そこで注目は日めくりカレンダー。吉川の部屋では23日となっている。

坊やを連れて帰って自分の部屋へ行く。日めくりは12日?くらいになっていて、それを栗島がどんどん破っていて、23日にする。

10日近く家を空けていた。

 

ところで、無声映画だけれど、字幕が暗くて殆ど読めなかった(笑。

なぜ栗島がそんなに家を空けたのかはなんか言っているのかもしれない。

 

ある日、別れた亭主、斉藤達雄が訪ねてくる。

そして二人でやり直そうとするが、職が見つからない。

職工募集の張り紙をみて面接に行くが、(多分)斉藤の体格とかで不採用になる。

職工は体力がいるから細い斉藤ではダメなようだ。

 

ある日、坊やが自動車にはねられてしまう。

なんかこのところ見る無声映画、みんな自動車にはねられるんだけど(笑。

坊やを入院させるために、栗島はバーのマダムの飯塚蝶子に相談するという。

 

その前のシーンで飯塚が栗島のアパートを訪ね、お寿司を食べてなにか言っている場面があるが、字幕が読めないからなにかわからない。

多分、栗島に言い寄っている制服(偉い)を着た坂本武関連じゃないかと思うけれど

想像でしかない。

 

マダムに相談ということは、坂本となんとかなる?ことなのか・・・

斉藤は、強盗に入る。

警察に追われながらアパートへ帰る。お金を渡すと栗島が察して、

自首してという・・・。

闇夜に警察官がいる。一瞬、笠智衆の警察官が映った。

 

翌朝、隣のご主人が「旦那さんが・・・」と言いかけたが言えず、

後ろにいた住人が「入水した」と言いに来る。

あわてる栗島。

遺書を刑事?から渡される。

「俺の様な男は生きていても仕方ない。坊やをよろしく頼む」と書いてある。

この手紙は鮮明に映っている。

字幕をもっと鮮明にして欲しかった(笑。

 

栗島はその書置きを破り捨て、「意気地なし!」とか「弱虫!」とか言う。

で、終わり・・・。

 

いくら成瀬映画でも希望がなさすぎる結末でした。