日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

奥様に知らすべからず 1937年 松竹

監督 渋谷実 脚本 池田忠雄 岡田豊 原作 リチャード コネル

出演 斎藤達雄 岡村文子 坂本武 吉川満子 水戸光子 笠智衆 坪内美子

 

田園調布に住む斎藤達雄の妻、岡村文子は痩せたくて美容体操をしているが体重計にのってため息ばかり。女中の水戸光子に「お前いくつだい?」と聞いたり、「今日は綺麗だね、でも旦那様の部屋へ行ったら行けないよ」などと自分が外出する時にくぎを刺す。

水戸光子は「クラブ白粉を塗っています・・」などと宣伝?文句をくちにしたりする。

役は19歳だが、実際は18歳かまだ17歳で、水戸光子、若くて可愛い。

 

斎藤達雄は恐妻家で、妻にやられっぱなしなので何かにつけては「社交倶楽部?」へ行って他の男性たちと時間をつぶしている。

斎藤の仕事がよくわからないが、田園調布の家といい、女中さんがいることや社交倶楽部に行ったりしているので重役?かなんかだと思う。

そこでやはり恐妻家の坂本武と知り合うが、名刺をもらう前に呼ばれて坂本の名前はわからないまま別れる。

 

岡本文子がデパートへ行くと、妻、吉川満子と一緒に来た坂本武が岡本に色目?をつかう。それを見た吉川満子は岡本文子が買おうとしていた舶来のハンカチを自分が買うといって強引に買ってしまう。

怒った岡村文子。家に帰って夫の斉藤達雄に今日デパートで恥ずかしい思いをした。ついては仇をうってほしいという。斎藤がどこの誰ともわからないじゃないかと言うと、

いや、麹町の○○と言う人で、電話番号もデパートの店員から聞いてきたと言ってきかない。

同じことを坂本武の妻、吉川満子も夫に頼み、困ったふたりの夫は身代わりを雇う。

斎藤は元ボクサーの笠智衆を雇うが、雇われた二人は「決闘なんてばかばかしいからお互い相手をのしたことにしよう」として別れる。

笠智衆から相手をノックダウンしてやったときいた斎藤は、自分も殴ってもらってアザのひとつもないと妻に疑われるから・・・と笠にパンチを頼む。

見事に左目にあざを作った斎藤は妻に報告。

 

ある日、また倶楽部へいくと先日の坂本武がいた。名刺をもらうと「麹町の○○」とある・・・。びっくりするふたり。

二人とも身代わりを雇ったことがわかって意気投合。

そんな話。

あの時代にダイエットにいそしむ岡村文子。対してひょろっとした斎藤達雄の夫婦役が良い。

坂本武と吉川満子もお金持ち?の夫婦の役だけれど・・・ちょっとイメージと違う。

あの時代にそんなに俳優はいなかった・・・ということか?(笑。

坪内美子は例によって芸者役。

 

昭和12年に妻にコテンパンにやられる夫の話。

ありえないから映画になったのだろう(笑。