日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

白い巨塔  1966年 大映

監督 山本薩男 脚本 橋本忍 原作 山崎豊子

出演 田宮二郎 東野英治郎 小沢栄太郎 田村高廣 加藤嘉 下条正巳 滝沢修

   船越英二 加藤武 竹村洋介 石山健二郎 藤村志保 岸輝子 小川真由美

   瀧花久子 見明凡太郎 潮万太郎 

 

子どもの頃、テレビドラマで話題になったのは知っているので(多分見たと思う)大病院内部の権力争いな物語だと認識がある。もしかしたら昔この映画もテレビで見たかもしれない。

大映映画だし、田宮二郎だしで期待はしていなかったので観るのは後回しになっていたが、脚本が橋本忍であるのに気付いた。それに原作は山崎豊子だ。

 

長い映画だったけれど、さすが橋本忍、うまくまとめて教授の選挙投票の時や裁判の場面では心臓がドキドキした!

田宮と小川真由美は愛人関係だけれど、無意味なベッドシーンもなかったし(笑。

男達の権力闘争がよく描かれていたし、これは男の映画だったし変に女が絡んでなくてこれも現実味を帯びていて話題になったのは無理もない。

現代でも十分通じる物語に山崎豊子の凄さを感じさせる。

 

加藤武はどちらについたのかが最後まではっきりしない。ミステリアスさも面白かったし、田宮を嫌いな滝沢の裁判の証言のあの微妙な物言い、だからと言って医学界を考えるしたたかさ、田村高廣の純粋さ、それに密かに惹かれる藤村志保

役者揃いだった。

 これは白黒映画だけれど、開腹手術の様子の映像(多分 半分本物)があるのでさすがにカラーは勘弁してほしい(笑。