日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

盗まれた欲情  1958年 日活

監督 今村昌平 脚本 鈴木敏郎 原作 今東光

出演 長門裕之 南田洋子 滝沢修 西村晃 柳沢真一 菅井きん

   小沢昭一 喜多道枝 中谷昇 武知杜代子

 

前に見たことがあったが、ある日消えてしまった。最近またアップされたので早速見ました。

 

長門裕之は大学出だがどさ周り一座で脚本や演出?を担当している。そんな彼にもっときちんとした所で働いたらとテレビ局?を紹介しようとするのが学友?の仲谷昇

一座の座長が滝沢修でその後妻が菅井きん

大阪、通天閣での興行はうまくいかず、滝沢がここで解散しようと座員にいうが、西村晃以下座員一同は一緒に連れて行ってくれという。

「縁があったらまた会おう」滝沢のセリフは小津安二郎の「浮草」でやはり座長の中村雁治郎が言ったセリフと同じ感じだった。

 

今度は河内に移動して興行をうつことになった。

村の人間は大騒ぎ、地主?の小沢昭一からテントを借り(そこでもすったもんだが少し)武地杜代子扮するおさん婆さんは嫁と一緒に稲荷ずしや偽コーラを作って観客に売って大儲け。

一日目の興行は大成功だったが、雨が降ると商売にならない。

長門は密かに滝沢の娘、南田洋子が好きだが、南田の妹、多喜道枝に言い寄られ、関係してしまう。

しかし長門はやはり南田が好きだということをそれで思い知り、南田に妹を幸せにしてくれと言われるが、あきらめきれず南田とも一夜を過ごす。

南田は一座の花形、柳沢真一という夫がいるが、実は長門を好きだった。

朝、「私は悪い女だわ」というが、長門が座長に言って結婚を許してもらおうとする。

すると座長は柳沢に言えという。長門が柳沢に言いに行くと柳沢はひとり踊りの稽古をしている。その姿にしばしみとれる長門・・・。

それが終わると長門が事情を話す・・。場面代わって滝沢、菅井きん、柳沢、長門、南田が集まり、柳沢に聞くと、自分が座を去りますという。

長門がこれで南田と一緒になれると思っているが、南田は「私はここにいたい」と柳田をとる。

 

失恋した長門は一座を後にするが、滝沢が娘(妹)に荷物を渡し、長門についていけと言う。

長門が遠くなった一座を見ながら座っていると妹が現れ、一緒に行く・・・(と思う)

 

今村昌平というと「豚と軍艦」がいいなと思っていましたが、それより前に作られたこの作品も良かった。

「にっぽん昆虫記」もいいけれど長いしちょっとクドすぎる。一人でみるにはいいけど、家族とみるとすると・・・もじもじしてしまうシーンがあるし(笑。

 

この映画は変なシーンもないし(関係をもつシーンは映さない)、ところどころ可笑しいし、

特に武知のちゃっかりしたおばぁさん役は大笑い。豚と軍艦でも武知はでていて、

菅井に「ねぇ、あんた、タバコない?タバコ?」のセリフが忘れられない。