日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女の座  1962年 東宝

監督 成瀬巳喜男 脚本 井出俊郎 松山善三

出演 高峰秀子 小林桂樹 丹阿弥津子 草笛光子 笠智衆 杉村春子 宝田明 

   三益愛子 加藤大介 淡路恵子 三橋達也 司葉子 星由里子 夏木陽介

   団玲子 一の宮あつ子 大沢健三郎

 

雑貨店?を営む家の嫁高峰秀子は3年前に夫に先立たれ、舅、姑、義妹で同じ敷地内の別宅でお華の先生をしている草笛光子、渋谷の映画館で働く星由里子、会社が倒産して無職になった司葉子と暮らしている。

ある日、舅の笠智衆が倒れ、家族が集まる場面から始まる。

長女の三益愛子はアパート経営しているが、そのアパートに住んでいた女と三益の亭主、加藤大介が駆け落ちしている。彼女には年ごろの娘が一人。

次男の小林桂樹は渋谷でラーメン屋を経営していて、妻は丹阿弥だが、お金もあまりなくて妻の着物を作るのも大変な家計だ。

三女?の淡路恵子は九州男子の三橋達也と一緒になったが、三橋は失業してしまっていて父が倒れたという報でこれ幸いと二人で実家に戻ってくる。

 

失業中の司葉子は、次男のラーメン屋が忙しいので手伝いに行く。そこで気象庁?に勤める夏木大介と出会う。妹の星由里子は姉、司と夏木をなんとかしようと画策するが、実は自分が夏木を好きだということが後でわかる。

 

高峰の一人息子は高校受験を控えた中学3年生だが、渋谷のおじさんのラーメン屋で

アルバイトしている勉強のできる同級生を見て、「頭の悪い自分が高校、大学へ行って、頭の良い彼が進学できないのはおかしい・・・」などと悩むが、母、高峰はそんなことはない、しっかりやりなさいと激励する。

 

30過ぎても独身の草笛は、後妻にきた杉村春子の前夫との息子、宝田明を好きになってしまうが、宝田は高峰を思う。。。

草笛は意地悪い役で、嫉妬にかられ、高峰を皆の前で平手打ちする。

 

主演は高峰だけれど、家族それぞれいろいろな問題をかかえている。

だけれど事件?というには大げさすぎる誰にでもあるような苦悩だ。

 

最初、兄弟姉妹のうちだれが後妻の子なのかわからなかったが、

司葉子、星由里子は杉村の娘。前妻の娘は三益愛子草笛光子、息子が小林桂樹だが、淡路恵子はどっちの娘なのか映画ではよくわからなかった。。

 

ある日、高峰の息子が電車にはねられ死んでしまう・・・。

自殺なのか、事故なのか・・・。

 

高峰はとうとう婚家で一人になってしまい、その後どうなるのか・・

それもはっきりしないまま終わるがそれが良いところ。