日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

小説 田中絹代 昭和58年 読売新聞社 新藤兼人

新藤兼人は好きではないが(笑、この本は良かった。

 

題名は田中絹代だが、溝口健二との関係をしつこくしつこく書いている。

そして監督としての溝口健二の話も多い。

新藤兼人本人の「ある映画監督の生涯ー溝口健二の記録」での田中絹代のインタビューがたくさんでてくる。(多分)記録映像以外の話もあると思う。

もちろん、田中絹代の生い立ちから家族、出演作品の話も豊富でたいへん満足でございました(絹代風)。

 

やはり第三者が書いたもののほうがさめた視線だから良い。

 

田中絹代が死んだときは近い家族は誰もいなかった。

 

親兄姉全てが田中絹代の稼ぐお金で生きていたというのは高峰秀子を思い出した。

昔の人は家族の面倒は稼ぎがある人がみるのを当然だと思っていたのだろうか。

しかし、今でもそうだが、お金のある人のところへ人は集まるのね(笑。

 

私は溝口健二なら

西鶴一代女」「赤線地帯」「祇園の姉妹」「噂の女」

が好きだ。